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マグネシウム単品摂取は危険! マグネシウム単品摂取が骨粗鬆症を助長するメカニズムと、正しい分子栄養学アプローチ

最近では、マグネシウムが身体に良いと言われることが多くなり、マグネシウムのサプリメントや、マグネシウムを配合したクリーム・オイル、エプソムソルト入浴や「にがり」の摂取などが注目されるようになってきました。

これらを行う事によって、不調が良くなった、痛みが和らいだなどの声がある一方、実はマグネシウムの単品摂取は、非常にリスクが高いことをご存じでしょうか?

今回は、マグネシウム単品摂取による骨粗しょう症リスクの増加と、正しい分子栄養学アプローチについて解説します。

ナンナン

なんか、マグネシウムが身体にめちゃ良いらしいじゃん❗
マグネシウムクリームにエプソムソルト・・・
たくさんマグネシウムを摂るようにするよ❗

はる かおる

ちょっと待って。もしかして、マグネシウムだけを大量に摂取するつもり❓❓それだとむしろ健康を害すことに繋がるよ

ナンナン

えっ❗❓マグネシウムは摂り過ぎても副作用が無くて安全なんじゃ無いの❗❓

はる かおる

そう言われているけど、実はマグネシウム単体摂取は、カルシウム不足を加速させて骨粗しょう症リスクを高めてしまう可能性があるんだ。このあたり、詳しく解説してあげるね。

\この記事の解説動画はこちら/

目次

マグネシウムサプリ、高濃度のエムソプソルト入浴・・・体に良いはずのマグネシウム摂取が、むしろ逆効果に。

最近、特に注目されている栄養成分の1つに、マグネシウムがあります。マグネシウムは現代人にとって不足しやすいミネラルの1つで、マグネシウムが不足すると「疲れやすい」「夜眠れない」「便秘になる」「頭痛がする」「血糖値が高い」などの症状が現れる事があります。

マグネシウムは、体内において300を超える補酵素として働くほか、カルシウムとともに自律神経の調節や血圧の調節、糖代謝に関与している栄養素です。

マグネシウムが不足すると、全身のエネルギー不足を招き、代謝の悪化、精神の不調や睡眠障害、便秘など様々な不調へと繋がってしまう原因になります。

そのため、不足したマグネシウムを補うことで、これら不調が改善出来るといった情報が広く認識されるようになりました。

例えば、マグネシウムのサプリメントや、マグネシウムを配合したクリーム・オイル、エプソムソルト入浴や「にがり」の摂取などです。これらを行う事によって、不調が良くなったとか、体に良いってよく聞きますよね。

このような情報を元に、エプソムソルト入浴やマグネシウムの摂取を一生懸命やっている方も多いと思います。

ですが、実は『マグネシウムだけ』を摂りすぎると、逆に骨がボロボロになる危険があります。

この理由は、マグネシウムの摂り過ぎによって、むしろ生体内カルシウムの量が減少し、カルシウムパラドックスや骨粗しょう症を引き起こすリスクが高くなってしまうためです。

なぜ、マグネシウム単品摂取は危険なのか? マグネシウム単品摂取が骨粗鬆症を助長するメカニズム

マグネシウム単体摂取が引き起こす5つの負の連鎖

では、なぜマグネシウムを単品で摂取すると危険なのでしょうか? この理由には、いくつかの原因が関わっています。

その原因は主に5つあり、特にカルシウム代謝に悪影響を及ぼしてしまうことが原因です。

マグネシウム単品摂取が生体内カルシウムバランスを乱す理由

  • 腸管でカルシウムの吸収経路を奪い、カルシウムが不足する
  • 腎臓における過剰なマグネシウムの排泄時に、カルシウムも排泄される
  • 副甲状腺ホルモンが誤作動を起こし、カルシウムの代謝が乱れる
  • カルシウムが不足することで、カルシウムパラドックスが引き起こされる
  • 高濃度経皮吸収(入浴等)によって腎不全リスクが高まる

マグネシウムとカルシウムはセットで働いており、マグネシウムだけを大量に摂取すると、カルシウムとのバランスが崩れてしまいます。

このマグネシウムとカルシウムのバランスが崩れることで、糖代謝が悪化したり、高血圧になりやすくなったり、骨粗鬆になりやすくなったりとむしろ健康に悪影響を及ぼすリスクがあるのです。

この仕組みを、1つずつ見ていきましょう。

マグネシウムの過剰摂取は、腸管でのカルシウム吸収を阻害する

マグネシウムの単品摂取が、生体内のカルシウム代謝に悪影響を及ぼしてしまう原因の1つに、腸管でのカルシウム吸収を阻害してしまうことが挙げられます。

なぜマグネシウムだけを大量に摂ると、カルシウムが吸収されなくなってしまうのでしょうか?

マグネシウム(Mg)とカルシウム(Ca)は、どちらも私たちの体にとって不可欠な「2価ミネラル」です。マグネシウムとカルシウムは、どちらも『2価陽イオン(プラスの電気を持つミネラル)』という、いわば同じグループの兄弟のような関係を持っています。

この2つのミネラルは、実は腸から吸収される際に「入り口(輸送体)」となる吸収経路を奪い合うライバル関係にあります。

マグネシウムの大量摂取は、カルシウムの吸収を阻害する

カルシウムとマグネシウムの吸収には主に2つのルートが存在し、ミネラルの濃度差によって細胞と細胞の間のわずかな隙間を通り抜ける「受動輸送(単純拡散)」と、専用の入り口(トランスポーター)からエネルギーを使って吸収する「能動輸送(ドア)」があります。

どちらか片方のミネラルだけが大量に存在していると、腸管で行われているこの2つのルートで大渋滞が起こり、その他のミネラル吸収を妨げてしまうのです。

具体的には、カルシウムにはTRPV6、マグネシウムにはTRPM6という「専用の入り口(トランスポーター)」が用意されています。しかし、実はこれらのドアは「似たもの同士なら通してしまう」という少しアバウトな性質を持っています。

特にマグネシウムを運ぶTRPM6や、全身の細胞にあるTRPM7は、カルシウムも通過させる『共通のドア』のような側面も持っているため、マグネシウム単品の過剰摂取はこのドアをパニック状態にし、カルシウムの吸収を物理的に阻害してしまいます。

また、腸管での吸収には、エネルギーを使わずに濃度の濃い方から薄い方へ流れる「受動輸送」というルートもあります。

受動輸送とは、ミネラルの濃度を利用し、濃度の濃い方から薄い方へ自然に流れる仕組みを利用して細胞と細胞の間のわずかな隙間を通り抜けさせ、ミネラルを吸収する仕組みです。

この受動輸送において、腸管内のマグネシウム濃度があまりに高くなりすぎると、細胞間の隙間を通るルートにおいても、マグネシウムが優先的に押し寄せます。この過剰なマグネシウムの流入は、腸管内の電気的なバランスや浸透圧を変化させ、カルシウムがスムーズに移動・吸収されるのを妨げる要因となります。

すると、本来一緒に通り抜ける(吸収される)はずだったカルシウムの経路がなくなり、吸収されずにそのまま腸を通り過ぎて便として排泄されてしまいます。つまり、健康のために摂ったサプリや食事が、体を通らずにそのまま外へ捨てられるという状態になってしまうのです。

この吸収阻害が怖いのは、「食事でしっかりカルシウムを摂っていても無意味になる」という点です。

例えば、小魚や乳製品、海藻などから一生懸命カルシウムを摂取していても、同じタイミングで高濃度のマグネシウムサプリを飲んでしまえば、そのカルシウムは血中に届くことなく、そのまま便として排泄されてしまいます。

カルシウムが不足すると、ご存じのように骨粗しょう症リスクが上昇したり、血圧が上昇したり、動脈硬化や認知症など様々なリスクが上昇します。

このように、マグネシウム単品の摂取は、「能動輸送(ドア)」と「受動輸送(隙間)」の両方のルートでマグネシウムを溢れさせてしまい、カルシウムの吸収を阻害してカルシウム不足を招く最大の原因です。

せっかく食事から摂った貴重なカルシウムを無駄にしないためにも、マグネシウムは単品で薬のように摂取するのではなく、カルシウムとのバランスを考えながら「チームで」取り入れることが、分子栄養学における正しいアプローチになります。

ナンナン

えっ❗❓マグネシウムを摂り過ぎると、カルシウムの吸収を阻害しちゃうの❗❓

はる かおる

そうだよ。マグネシウムが足りたとしても、カルシウムが不足することで、身体には様々な悪影響が起こってしまうんだ

過剰なマグネシウム摂取は、腎臓でのカルシウム排泄を促進する

過剰なマグネシウム摂取は、腸管からのカルシウム吸収を阻害する以外にも、腎臓でのカルシウム排泄を促進させてしまいます。

腎臓は、血液をろ過し、体に必要なミネラルを再び血液に戻す(再吸収)という、いわば「資源のリサイクル」を行っている臓器です。腎臓の尿細管という場所では、一度尿として捨てられかけたマグネシウムやカルシウムを、「まだ使える!」と血液中に回収する仕組みがあります。

通常では、血液中のカルシウムやマグネシウムは腎臓で再吸収されるため、これらが尿から排泄される量はそれほど多くありません。

しかし、マグネシウムの血中濃度が急上昇すると、腎臓は「マグネシウムが多すぎるから捨てなきゃ!」と大忙しになります。すると、回収窓口がマグネシウムの処理でパンクしてしまい、本来回収されるはずだったカルシウムまでが「窓口閉鎖」によって尿へと押し出されてしまうのです。

実は、腎臓ではマグネシウムとカルシウムの回収ルートにおいても、同じ「再吸収の窓口」を共有しています。血液中のマグネシウムが過剰になると、腎臓はマグネシウムの回収を抑制するために、カルシウムの回収も抑制してしまいます。

マグネシウムの大量摂取は、尿中でのカルシウム排泄量を増加させ、カルシウム不足を引き起こす

つまり、マグネシウムを単品で過剰に摂ることは、体内のマグネシウムを増やすどころか、骨の材料であるカルシウムを体外へ垂れ流しにする、「道連れ排泄」を引き起こしてしまうのです。

血液中のカルシウムが減れば、体は命を守るために「骨を溶かして」血中濃度を維持しようとします。「健康のためにマグネシウムを摂っている」つもりが、実際にはその行為が原因で、結果として骨粗鬆症を加速させてしまう結果に繋がってしまうというわけです。

ナンナン

マグネシウムを摂り過ぎると、カルシウムの排泄も加速する・・・
そんな仕組みになっていたのか・・・

はる かおる

そうそう。腎臓はカルシウムなどのミネラル濃度を調節する役割を担っているよ。マグネシウムが大量にある場合は、マグネシウムを排泄するためにカルシウムも尿から捨てられてしまうんだ。

カルシウム代謝の司令塔「副甲状腺ホルモン」が抑制される

腸と腎臓でカルシウムを失うだけでも大ダメージですが、最も厄介なのは、私たちの体に備わっている「カルシウムの血中濃度監視システム」がマグネシウムによって誤作動を起こしてしまうことです。

カルシウムやマグネシウムには、私達の筋肉や血管の収縮、自律神経の調節など身体にとって欠かせない働きがあります。

この働きを正常に維持するために、身体は血清カルシウム濃度を約10mg/dL、細胞内と細胞外のカルシウム比率を1:10,000に保とうとする働きがあり、カルシウムの摂取量が多い場合や不要な場合は便として排泄したり腎臓から尿を通して排泄されます。

この血清カルシウム濃度や細胞内・細胞外カルシウムの比が一定に保たれていることで、私達の筋肉や血圧などが正常に制御され、働くことが出来ます。もし、血清カルシウム濃度が高すぎたり低すぎたりすると、心臓の筋肉や血圧などに異常が生じて命に関わることから、基本的に血中のカルシウム・マグネシウム濃度は大きく増減しないような仕組みになっています。

そして、この血中カルシウム濃度を常に監視し、必要であれば「骨を溶かせ!」と命令して血中カルシウム濃度を保つ指令を行っているのが、「副甲状腺」という臓器です。副甲状腺は、カルシウムの血中濃度を常に一定に保てるよう、センサーの役割を果たしています。

ここで問題となるのが、マグネシウム大量摂取による副甲状腺の誤作動です。マグネシウムだけを大量に摂取してしまうと、この副甲状腺のセンサーが「血中カルシウム濃度は十分にある」と勘違いして、骨を守るホルモンのスイッチを切ってしまいます。

高すぎる血中マグネシウム濃度は、副甲状腺の機能を混乱させ、骨代謝、ミネラル代謝を乱す

これにより、古い骨を壊して新しく作り替えるバランスが崩れ、骨の強度が保てなくなったり、腎臓でのカルシウム・マグネシウムの回収命令が出なくなったり、カルシウムの尿での排泄が加速したりと、悪影響が起こってしまうのです。

具体的には、私たちの「副甲状腺」という小さな臓器には、血液中のカルシウム濃度を24時間監視する「CaSR(カルシウム感知受容体)」という高性能なセンサーが備わっています。

本来、このセンサーの働きは、血中カルシウム濃度が低下した時に副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌し、「骨を溶かしてカルシウムを調達しよう!」「腎臓でカルシウムの回収を増加させよう!」と命令を出す、いわば「骨の守り神」「ミネラル代謝の司令塔」として働いています。

もし、マグネシウムだけを大量に摂取して血中濃度が急上昇すると、センサーに大量のマグネシウムがくっつきます。するとセンサーは「今、血液中にはカルシウムが溢れているな」と勘違い(誤作動)を起こしてしまうのです。

実はこのCaSRセンサーは、カルシウムと構造が似ているマグネシウムにも反応してしまいます。副甲状腺が大量のマグネシウム摂取によって誤作動を起こすと、 実際には(腸や腎臓でのロスにより)カルシウムが不足しているにもかかわらず、センサーが「もう十分」という偽の信号を送るため、骨を守るためのPTH(副甲状腺ホルモン)のスイッチが強制的に切られてしまうという現象が発生します。

このPTHの分泌が止まると、体は負の連鎖に陥ります。例えば、腎臓でのカルシウム・マグネシウムの再吸収機能への命令が完全に止まってしまい、 カルシウム・マグネシウムの尿中排泄量が加速します。

また、PTHはビタミンDを「活性型」に変えるスイッチでもあります。食品に含まれているビタミンDは、体内で活性型に変換されることで、カルシウムの吸収を促したり、骨を作るサポートを行ったりしています。この活性型に変換するスイッチが入らなくなるため、体内での活性型ビタミンDが不足して、食事からのカルシウム吸収効率がさらに低下、カルシウム欠乏が加速します。

この他、骨のメンテナンスが崩壊することも上げられます。骨は、常に「壊す」と「作る」を繰り返し、日々新しく作り替えられています(骨のリモデリング)。PTHが誤作動を起こすと、この指令が行われなくなるため、古い骨を壊して新しく作り替えるバランスが崩れ、骨の強度が保てなくなります。

そのため、マグネシウム単体を大量摂取するのは、体内のカルシウム代謝、ビタミンD代謝、骨代謝などを乱してしまう原因になります。マグネシウムとカルシウムはセットで働いているため、この2つは必ずセットで摂取することが大切です。

また、カルシウムとマグネシウムは「少なすぎても、多すぎてもPTH(=骨の守り神)を働かせなくしてしまう」という、非常にデリケートな調節役を担っています。ですので、どちらかに偏らず、どちらも至適量を補給する事が、正しい分子栄養学アプローチの基本です。

ナンナン

身体にはカルシウムの濃度を測るセンサーがあるのか・・・

はる かおる

そうだね。大量のマグネシウムを摂取すると、このセンサーが誤作動を起こしてよりカルシウムなどのミネラル代謝が乱れる原因になるよ

カルシウムの不足が、骨を溶かす原因に。カルシウムパラドックスの恐怖

ここからが、最も重要なポイントです。腸での吸収阻害、腎臓での尿中排泄量の増加、そして司令塔(副甲状腺)の誤作動など、これらによって血液中のカルシウムが枯渇しそうになると、体は生命を守るための「禁じ手」を使わざるを得なくなります。

それが、自分の骨を溶かしてカルシウムを調達するという選択です。骨はカルシウムの貯蔵庫としての働きもあり、カルシウムが不足すると副甲状腺の指令によって骨を溶かして血中カルシウム濃度を維持しようとします。

この血液中に存在するカルシウムは、心臓を動かし、神経を伝達するために一刻も欠かすことができません。マグネシウムの単品大量摂取によって血中のカルシウム濃度が危機的状況に陥ると、体は「骨の健康よりも、今の命を優先する」モードに切り替わります。

その結果、骨の貯金を切り崩して無理やり血中にカルシウムを供給し始めます。骨を強くするためにマグネシウムを摂っているつもりが、実際には「骨からカルシウムを奪い取ってスカスカにしている」という、真逆の結果を招いてしまうのです。

カルシウムパラドックスが起こると、血管や関節、脳などにカルシウムが沈着する

そして、この副甲状腺ホルモンによる作用は非常に強力で、骨からカルシウムを取り出す際には、必要な量よりも過剰な量が溶けてしまいます。すると逆にカルシウムの血中濃度が過剰になる「カルシウムパラドックス」という現象が発生してしまうのです。

カルシウムパラドックスとは、カルシウムが不足している状態なのに、血中や細胞内ではカルシウムが過剰になってしまうという矛盾した状態になってしまうことです。この状態では、食事から摂るカルシウムとは異なり、非常にコントロールが難しい「悪玉カルシウム」として振る舞います。

カルシウムの摂取量が慢性的に不足していると、骨からカルシウムを溶かして利用される。この時、血中や細胞内でカルシウムが過剰になり、カルシウムが不足しているのにカルシウムが過剰になる「カルシウムパラドックス」が引き起こされる。

例えば、カルシウムパラドックスによって血液中のカルシウム濃度が上昇しすぎると、細胞内のカルシウム濃度が上昇してカルシウム濃度のバランスが崩れたり、血管壁などに余分なカルシウムが沈着したりして動脈硬化などの原因になります。

他にも、脳細胞に過剰なカルシウムが流入することで脳細胞の働きが悪くなったり、死滅したりして認知症を発症する原因にもなります。また、カルシウムが過剰になる事で血圧が正常に制御できなくなり、高血圧を発症したり、糖尿病になりやすくなったり、腎結石になりやすくなったり、肌の老化が進んだりと様々な疾患を引き起こす原因になります。

カルシウムパラドックスが引き起こされると、過剰なカルシウムが細胞内に流入したり血管壁に沈着するなどして認知症や動脈硬化など様々な疾病を引き起こす原因になる

特に、カルシウムパラドックスが原因と言われている物に「ヘパーデン結節」と「ブシャール結節」があります。ヘパーデン結節は指の第1関節の部分がこぶのように腫れて変形し、針を刺したような痛みを伴い、女性に起こることが多い疾患です。また、第二関節の部分に起こるのをブシャール結節と言います。

女性に多いヘパーデン結節は、カルシウムパラドックスが原因の1つと言われている

これらは指の使いすぎでなりやすい傾向がありますが、それ以外にもカルシウム不足によって引き起こされるカルシウムパラドックスが原因であると言われています。これは、骨から溶け出したカルシウムが指関節に徐々に沈着・石灰化し、関節の変形が起こり神経を刺激してしまうことが原因と言われているためです。

このように、カルシウムが不足すると脳や血管、関節を始めとした様々な疾患のリスクが高まります。本来あるべきではない場所にカルシウムが沈着してしまう、これが「カルシウムパラドックス」の恐怖です。

このカルシウムパラドックスを引き起こす原因の1つが、マグネシウムの単体大量摂取です。マグネシウムが身体に良いと言われていますが、単品を大量に摂取することは、カルシウムの不足を加速させてむしろ健康状態に悪影響をもたらす恐れがあります。

マグネシウムは万能薬ではありませんので、摂取方法や摂取量にはくれぐれもご注意ください。

ナンナン

うーん、カルシウムが不足するとむしろカルシウムが過剰になる❓❓
何だかよく分からない現象が起こるんだね💦

はる かおる

そうだね。体内ではカルシウムの濃度を一定に保とうとする働きがあるから、カルシウムが足りなくなると骨から溶かし出して利用するよ。この時、余分にカルシウムが溶けてしまうことでカルシウム不足なのにカルシウムが過剰になってしまう「カルシウムパラドックス」が発生してしまうんだ。

高濃度のエプソムソルト入浴は腎臓への負担大。腎不全のリスクと骨粗しょう症のリスクを増大させる理由

最後に、最近流行している「高濃度エプソムソルト(硫酸・塩化マグネシウム)入浴」についても、分子栄養学的な視点から危険性をお伝えしておきます。

最近では、エプソムソルト入浴によって痛みが和らいだ事例やアトピーが治ったという事例がネット上で共有されることが多くなったことから、非常に注目されるようになってきました。

このエプソムソルト入浴に使用しているのは硫酸マグネシウムや塩化マグネシウムのため、エプソムソルト入浴を行う事で経皮からマグネシウムが吸収出来ると言われています。

そして、この経皮によるマグネシウム吸収を最大化させるために、通常の使用範囲を超えた量を使用して入浴することがオススメされていることがあります。例えば、通常使用量の3倍〜5倍、10倍といった超高度での入浴です。

高濃度で入浴することで、よりマグネシウムが体内に浸透させることが出来る、口腔摂取に比べて過剰摂取のリスクが無いため安全性が高いと思うかも知れません。

高濃度のエプソムソルト入浴は、脱水を起こして腎臓に大きな負担をかけてしまう

しかし、この通常使用量を超えた高濃度でのエプソムソルト入浴は、腎臓に負担がかかるため大変危険です。一部でこの高濃度でのエプソムソルト入浴が分子栄養学として紹介されていることがありますが、分子栄養学ではこのような高濃度でのエプソムソルト入浴は推奨していません。

理由としては、皮膚には浸透圧という仕組みがあるため、お風呂のマグネシウム濃度が異常に高いと、体内の水分が皮膚から吸い出され、脱水状態に陥ることがあるためです。

イメージとしては、「漬物」をイメージするとわかりやすいかと思います。ぬか床など塩分の高い所にキュウリなどの野菜を入れておくと、塩分によって野菜の水分が引き抜かれ、水が染み出てきますよね。

この漬物と同じ状態の事が、高濃度でのエプソムソルト入浴でも起こります。つまり、高濃度のマグネシウムによって体内の水分が皮膚を通じて体外に引っ張り出されてしまうため、体内では脱水状態に陥ってしまうのです。

この脱水状態では、腎臓に大きな負担がかかります。脱水によって血液が濃くなると、ただでさえ「マグネシウム過剰を処理しよう」とフル回転している腎臓に、さらなる過酷な労働を強いることになります。

極端な高濃度入浴によって脱水・腎臓が疲れ果ててしまうと、腎臓の機能自体も低下してしまう恐れがあります(急性腎不全)。腎臓は単なる血液のフィルターではありません。実は、骨の健康に欠かせない「ビタミンDを活性化させる」という重要な仕事も担っています。

この腎機能が低下してしまうと、ビタミンDの活性化にも悪影響が起こり、どれだけ日光を浴びてもサプリを飲んでも、ビタミンDが働ける形(活性型)になりません。

結果として、ビタミンDが働かなければ、腸からのカルシウム吸収はさらに絶望的になり、前述した「骨を溶かすループ」から抜け出せなくなってしまいます。

そのため、エプソムソルト入浴は、手軽にマグネシウムを補給できる手段として人気ですが、「高濃度であればあるほど良い」という考え方は非常に危険です。

「汗をかいてデトックス」「マグネシウムをたっぷり補給」という美辞麗句の裏で、もし腎臓が悲鳴を上げていれば、それは健康への近道ではなく、骨粗鬆症へのリスクにも繋がりかねません。

入浴剤として使う場合も、「適量」を守り、水分補給を欠かさないことが、分子栄養学的な大原則です。

ナンナン

げっ・・・高濃度でのエプソムソルト入浴は、腎臓に負担がかかるのか❗❗

はる かおる

そうそう。良かれと思ってこいエプソムソルト入浴をすると、浸透圧によって体内の水分が引き抜かれ、脱水を起こして腎臓にかなりの負担がかかるよ。だから、分子栄養学では高濃度でのエプソムソルト入浴は推奨していないんだ


分子栄養学実践時の正しいエプソムソルト入浴の考え方

高濃度でのエプソムソルト入浴が腎臓に負担がかかり、マグネシウム補給に適さないとしたら、エプソムソルト入浴自体に意味が無いのでしょうか?

分子栄養学では高濃度でのエプソムソルト入浴を推奨していないと聞くと、エプソムソルト入浴自体を辞めた方が良いのでは?と思いますよね。

ですが、エプソムソルト入浴など入浴剤の使用自体を辞める必要はありません。

大切なのは、「考え方」の転換です。エプソムソルト入浴や入浴剤には、香りなどによるリラックス効果や、疲労回復効果も期待出来ます。

このような香りなどを気分によって変える、疲労など体調の状態によって入浴剤も変えてみるなど、「入浴を楽しむために使用する」という考え方にシフトさせましょう。

つまり、「エプソムソルトの濃度を濃くしてマグネシウムを補給しよう!」と考えるのでは無く、あくまで「入浴を楽しむ手段」として使用するようにするのです。

エプソムソルトや入浴剤には、様々な香りや肌触りの物など、数多くの物が販売されています。マグネシウム補給の為だけに特定のエプソムソルトを使い続けるのでは無く、その日の気分、状態に応じて使ったことが無い入浴剤も使ってみる、新しいものにチャレンジしてみるのです。

そして、必要なカルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどはサプリメントを使用してしっかり口腔から摂取する。

こうすることで、腎臓に負担をかけずに栄養をしっかり摂取しつつ、入浴時間も楽しみやリラックスする時間として活用出来ます。この方が、より人生が豊かに暮らせると思いませんか?

分子栄養学では高濃度でのエプソムソルト入浴を推奨していませんが、エプソムソルトなど入浴剤自体の使用を非推奨としているわけではありません。

入浴と栄養補給、分子栄養学の実践は分けて考えて、あなたの暮らしに合う方法を取り入れてみてください。

マグネシウム摂取時は、カルシウムとマグネシウムを「2:1」「1:1」で摂取する事が大事!マグネシウム摂取時の正しい分子栄養学アプローチ

ここからは、カルシウムとマグネシウム補給における正しい分子栄養学的アプローチのご紹介です。ここでは、カルシウム・マグネシウム摂取に対する基本的な考え方やアプローチの仕方をご紹介します。

まず、マグネシウム不足の場合やマグネシウムの需要が高いとき、カルシウム不足の場合やカルシウムの需要が高いときには、カルシウムとマグネシウムをセットで摂ることが分子栄養学の基本になります。「マグネシウムが不足しているならマグネシウムだけを補給すれば良いのでは?」と思うかも知れませんが、マグネシウムだけを摂取してもあまり意味はありません。マグネシウムはカルシウムとセットで働きますので、マグネシウムを補給する場合はカルシウムも同時に摂取するようにしましょう。

この時、カルシウムやマグネシウム、ビタミンD等は小魚や牛乳、キノコなどに含まれていますが、実は食事から十分な量を摂取するのは非常に難しい栄養素です。

例えば、男性の30代〜70代にかけては推奨量が一日あたり750mgなのに対し、およそ450mg〜600mgしか摂取出来ていないといわれています。女性の場合では、10代〜70代にかけて推奨量が一日あたり650mgなのに対し、およそ400mg〜550mg程度の摂取量となっています。

日本人のカルシウム摂取状況。男女ともに殆どの年代で接種推奨量を下回っている

この理由としては、推奨量を満たすには食事からの摂取だけでは難しいと言われているためです。カルシウムは、牛乳などの乳製品や、小魚など魚の骨に多く含まれていますが、これらは意識的に多く摂る必要があるほか、カルシウムは加工食品などに含まれるリン酸や胃酸分泌抑制剤などの服薬、高脂肪の食事によっても吸収が阻害されてしまいます。

カルシウムの吸収を阻害してしまうもの

  • H2ブロッカー、ステロイドなどの服薬
  • 高リン酸の食事
  • 高食物繊維の食事
  • 高脂肪な食事
  • ストレス
リンの過剰摂取はカルシウムやマグネシウムの吸収を阻害する

このカルシウムの消耗度合いは人によって異なり、ストレスを抱えている方や閉経後の女性、成長期のお子さんや高齢者の方、糖尿病など疾病を抱えている方は特にカルシウムが不足しやすくなっていることも理由です。

また、マグネシウムの摂取量に関しては、男性の30代〜50代にかけては推奨量が一日あたり370mgなのに対し、およそ250mg〜300mgしか摂取出来ていません。女性の場合では、30代〜50代にかけて推奨量が一日あたり290mgなのに対し、およそ200mg〜250mg程度の摂取量となっています。

日本人のマグネシウム摂取状況。男女ともに殆どの年代で接種推奨量を下回っている

この理由としては、推奨量を満たすには食事からの摂取だけでは難しいと言われているためです。マグネシウムはアオサやワカメ、ひじきなどに多く含まれていますが、これらは意識的に多く摂る必要があるほか、マグネシウムは加工食品などに含まれるリン酸によっても吸収が阻害されてしまいます。

マグネシウムの吸収を阻害してしまうもの

  • 過剰なカルシウム
  • 過剰な亜鉛
  • 高リン酸の食事(加工食品の摂りすぎ)

このマグネシウムの消耗度合いは人によって異なり、ストレスを抱えている方やスポーツをする方、成長期のお子さんや高齢者の方、糖尿病など疾病を抱えている方は特にマグネシウムが不足しやすくなっていることも理由です。

そのため、食事だけでカルシウムやマグネシウム、ビタミンD等を十分摂取するのは非常に難しくなっています。食事だけで摂取しようとせず、サプリメントも積極的に活用するようにしましょう。

骨粗しょう症対策などにおいてカルシウム・マグネシウムを摂取する際は、必ずカルシウムとマグネシウムをセットで摂ることが分子栄養学の基本になります。「カルシウムが不足しているならカルシウムだけを補給すれば良いのでは?」と思うかも知れませんが、カルシウムだけを摂取してもあまり意味はありません。カルシウムはマグネシウムとセットで働きますので、カルシウムを補給する場合はマグネシウムも同時に摂取するようにして下さい。

カルシウムとマグネシウムを摂取する際は、カルシウムとマグネシウムの摂取バランスが重要になります。最適な比率は人にもよりますが、食事からのマグネシウムの摂取量不足やストレスによる排泄量の増加などを加味すると、カルシウム:マグネシウムを1:1のバランスで摂取することが理想です。

カルシウムとマグネシウムの摂取バランス。ストレスの増加や食事からの摂取量不足などがある事から、カルシウムとマグネシウムは1:1で摂取することが望ましい
カルシウムとマグネシウムの摂取量は、一日あたりそれぞれ600mg〜を目標に摂取する

具体的な摂取目安としては、カルシウム600mg〜、マグネシウム600mg〜が一日あたりの推奨量になります。2回〜3回に分けて摂取しましょう。

ただ、人によってはカルシウム:マグネシウムを1:1のバランスで摂取するとマグネシウムによってお腹が緩くなってしまう場合があります。また、成長期のお子さん、妊産婦の方、骨粗しょう症の方など、カルシウムの需要が高い方もいます。そのような場合は、カルシウム:マグネシウムの摂取は2:1で摂取するのもオススメです。

1:1での摂取比率を推奨する方2:1での摂取比率を推奨する方
マグネシウムの摂取量が不足している方
ストレスが多い方
糖尿病の方
脂質異常症の方
スポーツをしている方
成長期のお子さん
妊産婦の方
骨粗しょう症の方
1:1の摂取比率ではお腹が緩くなってしまう方
カルシウム:マグネシウムのオススメ摂取比率

特に、骨粗しょう症と診断された場合にはカルシウム製剤を出されることが一般的ですが、カルシウムのみを補給してもマグネシウムが無ければ骨を作る事は出来ません。カルシウムとマグネシウムはセットで働いて骨を作っているので、カルシウムとマグネシウムはセットで摂取することが大切です。

骨の代謝にはカルシウム以外にもマグネシウムやビタミンDなど、様々な栄養素が関係している。

また、カルシウムとマグネシウムは吸収しにくいミネラルのため、カルシウムとマグネシウムをきちんと吸収するためにもビタミンDを同時に摂取するようにしましょう。ビタミンDは骨を強くするなどカルシウムとマグネシウムを利用するために必要な栄養素です。

カルシウムはマグネシウムとビタミンDによって調節され、一定の機能が保たれるようになっています。そして、このビタミンDは腎臓で活性化されて利用されていますが、この活性化に必要な酵素にはマグネシウムが必要になります。そのため、マグネシウムを利用するためには十分な量のビタミンDの摂取が必要です。

カルシウム、マグネシウムとビタミンD、ビタミンBとの関係。マグネシウムを利用するためにはビタミンDも必要

例えば、ビタミンDは日光を浴びて紫外線に当たった皮膚で作られるほか、食事からも摂取することが出来ます。ビタミンDにはいくつか種類があり、キノコ類に多く含まれるものが植物性の「ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)」で、魚や卵、乳類に含まれる動物性のものが「ビタミンD3(コレカルシフェロール)」です。ビタミンD2とビタミンD3は構造の一部が異なる同族体で、どちらも体内での生理活性作用は同じとされています。

この2つのうち、人体で大半を占めているのは「ビタミンD3」の方です。これは、皮膚に日光が当たることによってビタミンD3が作られるためです。皮膚に日光が当たって作られたビタミンDは「プロビタミンD3」と言って、コレステロールを材料に作られています。

ビタミンDは体内で活性化されて初めて作用する。ビタミンDは、タンパク質によって肝臓に運ばれ、腎臓で活性型に変わる

これらビタミンD2やビタミンD3は、血液中で運ぶためにタンパク質で出来たトラックと結合し、肝臓まで運ばれます。そこで、25-OHビタミンD3に変換され、更に必要に応じて腎臓で活性型のビタミンD3(1α,25-OHビタミンD3)に変えられて利用されています。

この肝臓や腎臓でビタミンD3を利用出来る形に変換するためには、酵素の働きが必要になります。この酵素の働きに必要なものがマグネシウムです。もし、マグネシウムの摂取量が不足していた場合は、ビタミンDが活性化できずに、不活性のまま体内に留まることが分かっています。

マグネシウムの摂取量が不足すると、ビタミンDが代謝されずに不活性のまま体内に留まることが分かっている

このビタミンDが不活性のまま活性化できずにいると、カルシウムやマグネシウムが利用出来なくなり、カルシウムやマグネシウムが不足したり骨粗しょう症のリスクが高まります。そのため、カルシウムとマグネシウムを摂取する場合は、必ずビタミンDも摂取するようにしましょう。

ビタミンDの摂取目安としては、ビタミンDの血中濃度が40ng/mL以下の方には1日あたり8,000IU以上、40ng/ml以上の方は4,000IU以上を目安に摂取することをオススメしています。

ビタミンDの摂取目安。血中ビタミンD濃度によって、4,000IU〜8,000IU〜摂取する

また、理想的な血中ビタミンD濃度としては、男女ともに80〜100ng/mLが推奨値となっています。この数値を目安に、ビタミンDの摂取量を調節してみて下さい。

血中ビタミンD濃度は、80〜100ng/mLを目標、維持する
ナンナン

なるほど、カルシウムとマグネシウム、ビタミンDはセットで摂取することが大切なんだね

はる かおる

そうだね。マグネシウムだけ、カルシウムだけなど、ミネラル単体を大量に摂取するのは、逆に生体内の分子を乱す原因になるよ。分子栄養学を実践するときは、このような基礎をしっかり学んでから実践することが大切なんだ

マグネシウムは万能薬にあらず。栄養状態の改善には必ずオーソモレキュラー療法を受けましょう

カルシウム・マグネシウムの不足は摂取不足以外にも様々な原因が関係しており、糖尿病や消化器系疾患、運動やストレスなど様々な原因が関係しています。また、この他にも骨粗しょう症など様々な疾病や栄養不足が関係していて、人によって複数の原因が複雑に絡み合っていることも多くあります。

そのため、単にカルシウムやマグネシウム、ビタミンDを補給するのでは無く、これら原因となる要因を検査で洗い出し、その人に合ったアプローチを行っていく事が何よりも重要です。その為には、栄養状態や疾病の状態を知ることが出来る「オーソモレキュラー療法」の血液検査を受けてみましょう。

オーソモレキュラー療法では、69項目にも及ぶ血液検査項目に加え、消化吸収能の状態やピロリ菌感染の有無、甲状腺の検査、副腎疲労や短鎖脂肪酸検査、リーキーガット症候群検査などを必要に応じて組み合わせて行う事が出来ます。

複数の検査を組み合わせることによってより詳しく状態を知ることができ、あなたの栄養不足の根本原因がどこから来ているのかが分かります。また、検査結果はレポートにまとめられ、どんな栄養素をどれくらい摂ったら良いかの詳しいアドバイスも受けられます。

このような情報を元に、あなたに合わせたアプローチを行っていきましょう。
マグネシウムには様々な働きがありますが、あくまで「補酵素」であり、万能薬ではありません。マグネシウムを利用するためには、タンパク質やビタミンB群など様々な栄養が必要です。このタンパク質の消化能力や栄養の需要は人それぞれ異なりますので、ご自身に必要なアプローチについては、是非オーソモレキュラー療法の検査を受けてみて下さい。

オーソモレキュラー療法の詳細については、下記ページからご覧頂けます。

また、検査をご希望の方は、上記リンクか記事最後尾のプロフィールに記載されている「オーソモレキュラー療法申し込みページ」からご相談下さい。検査に必要な手続きなどをご案内致します。

サプリメントの配合成分が「同じ栄養素」に見えても、同じ製品ではありません

分子栄養学を実践するときは、「ビタミンB」「亜鉛」「鉄」などの栄養素名だけを見てサプリメントを選ばないことが大切です。

同じ栄養素を含む製品でも、使用する目的、1粒あたりの配合量、原材料や栄養素の形態、他の配合成分、製造方法、品質管理、検査体制、想定される使用方法などは製品ごとに異なります。

そのため、「同じ亜鉛だから」「同じビタミンBだから」と、別の製品へ同じ粒数・同じ回数で置き換えることは適切ではありません。特に高用量の栄養素を使用する場合は、製品ごとの設計や1日あたりの摂取量まで確認する必要があります。

価格や製造国だけでは、サプリメントの品質は判断できません

「海外製品だから危険」「国内製品だから安心」と一律に判断することも適切ではありません。海外製品にも専門的な用途を想定して品質管理されている製品がありますし、国内で販売されている製品にもさまざまな品質・設計のものがあります。

大切なのはどこの国で作られたかだけではなく、「何のために作られた製品なのか」「何がどのくらい入っているのか」「どのように製造・品質管理されているのか」まで確認することです。

国民生活センターの調査でも、製品による違いが確認されています

国民生活センターは2019年、錠剤・カプセル状の健康食品100銘柄について品質等を調査しました。

  • 100銘柄中42銘柄が、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しませんでした。
  • 機能性成分を測定した50銘柄中2銘柄で、表示量と実際の含有量に大きな乖離があると考えられました。
  • 1日の最大摂取目安量あたりの成分量にも製品ごとの差があり、調査対象ではGABAで約15倍、ルテインで約27倍の差がみられました。

なお、崩壊試験はサプリメントが実際に体内でどの程度吸収されるかを直接測定する試験ではありません。そのため、「規定時間内に崩壊しなかった=体内で全く吸収されない」と断定することはできません。

国民生活センター「錠剤・カプセル状の健康食品の品質等に関する実態調査」

分子栄養学では「目的に合った製品」を選ぶことが大切

分子栄養学では、栄養素を摂ること自体が目的ではありません。その人の身体の状態や生活、目的に応じて必要な栄養を考え、その目的に適した製品を適切な量で利用することが重要です。

日常的な栄養補給を目的として作られた製品と、専門的な栄養アプローチを想定して設計された製品では、同じ栄養素が書かれていても、製品としての目的や設計が異なる場合があります。

価格の安さや含有量の多さだけで選ぶのではなく、使用目的、配合量、原材料、製品設計、品質管理などを確認し、自分が行おうとしている栄養アプローチに適した製品かどうかを考えましょう。

KYBの栄養レポートを利用している方へ

KYBメディカルサービスの栄養レポートに記載されるケンビックス製品名や「○粒×○回」といった摂取量は、記載された製品の配合量・原材料・製品設計を前提とした内容です。

例えば、レポートに「亜鉛プラス 2粒×3回」と記載されていたとしても、別メーカーの亜鉛製品を「同じ2粒×3回」に置き換えられるという意味ではありません。

製品が変われば、1粒に含まれる栄養素量や原材料、栄養素の形態、他の配合成分等も変わります。栄養レポートの粒数・摂取回数を、海外製品を含む他社製品へ自己判断でそのまま置き換えることは推奨していません。

分子栄養学で使用されるサプリメントと、一般的なサプリメントの違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

ナンナン

同じ栄養素が書いてあれば、同じように使えるわけじゃないのか❗

はる かおる

そうだよ。同じ「亜鉛」や「ビタミンB」でも、製品によって目的や配合量、原材料、品質管理などが違うんだ。栄養素の名前や値段だけで選ばず、「何のために作られた製品なのか」まで確認することが大切だよ。

マグネシウム単品摂取は危険! マグネシウム単品摂取が骨粗鬆症を助長するメカニズムと、正しい分子栄養学アプローチまとめ

以上が、マグネシウム単品摂取が骨粗鬆症を助長するメカニズムと、正しい分子栄養学アプローチについてでした。

マグネシウムは、体内において300を超える補酵素として働くほか、カルシウムとともに自律神経の調節や血圧の調節、糖代謝に関与している栄養素です。

マグネシウムが不足すると、全身のエネルギー不足を招き、代謝の悪化、精神の不調や睡眠障害、便秘など様々な不調へと繋がってしまう原因になります。

そのため、不足したマグネシウムを補うことで、これら不調が改善出来るといった情報が広く認識されるようになりました。

しかし、マグネシウム単品の大量摂取は、腎臓に負担をかけたり、骨粗しょう症リスクを増大させたりしてしまうため、大変危険です。身体に良かれと思って摂取しているマグネシウムが、逆に身体を壊してしまう原因にもなり得ます。

また、マグネシウムはカルシウムとセットで働くので、マグネシウムとカルシウムはセットで摂取することが基本です。加えて、ビタミンDもマグネシウムを利用するために必要な栄養素なのでセットで摂取するようにしましょう。

分子栄養学やオーソモレキュラー療法というと単にサプリメントを飲むだけの療法だと思われがちですが、この記事で解説した以外にもまだまだ奥が深く、一生かけても学びきれないほど奥が深い学問です。もし、オーソモレキュラー療法に興味ある方は、是非分子栄養学を学んでみて下さい。

オーソモレキュラー療法の申し込み方法については、オーソモレキュラー療法・無料栄養相談申し込みページ で詳しくご案内しておりますので、ご興味ある方は是非こちらもご覧下さい。

参考情報

分子栄養学を「自分に合わせる」ために、まず自分を知る。
オーソモレキュラー療法の血液検査・栄養相談のご案内

KYBメディカルレポートのイメージ
KYBメディカルレポートのイメージ

分子栄養学では、「一般的には何が良いのか」を知るだけでなく、「自分の身体では今、何が起きているのか」を知ることも大切です。

同じような食生活や症状であっても、栄養状態、血糖代謝、炎症、消化・吸収、身体活動、生活習慣などの背景は人によって異なります。

そのため、「鉄が気になるから鉄を摂る」「疲れているからビタミンBを増やす」というように、症状と栄養素を単純に結びつけるだけでは、その人に合った実践にならないことがあります。

検査は「答え」ではなく、自分を知るための材料です

KYBメディカルサービスのK01初診スクリーニングでは、血液・尿・唾液を用いた69項目の検査から、タンパク質、糖代謝、脂質、血球、炎症、各種酵素、ミネラル、腎・尿関連項目など、身体を考えるためのさまざまな情報を確認します。

必要に応じて、甲状腺、糖代謝、骨代謝、胃腸機能、脂肪酸、酸化脂質などに関連するオプション検査を組み合わせることもできます。

ただし、検査値だけで身体のすべてが分かるわけではありません。食事、運動、睡眠、ストレス、服薬、生活環境なども含めて考えることで、検査結果をより実践に活かしやすくなります。

人を分子栄養学に合わせるのではなく、分子栄養学をその人に合わせる

検査結果が分かったからといって、全員が同じ食事・運動・サプリメントを実践するわけではありません。

大切なのは、検査で得られた情報を、その人の身体・生活・目的・価値観に合わせて活用することです。

例えば、運動不足が身体の状態に関係しているのであれば、栄養素を補うことだけでなく、無理なく運動を取り入れる方法を考える必要があります。そして、運動を行うためのエネルギーや、筋肉・身体づくりを支える栄養を整えていく。

このように、何のために健康になりたいのかを考え、その目的を実現するために分子栄養学を活用することを、私たちは大切にしています。

KYBメディカルサービスでは、検査結果をもとに専門チームが解析を行い、栄養状態や身体の状態を考えるためのレポートを作成します。レポートには、検査結果の見方や、食事・栄養補給等を実践する際の参考情報がまとめられています。

「自分の場合はどう考えればいいのだろう?」と思ったときは、検査で自分の状態を確認することも一つの方法です。

分子栄養療法ナビでは、KYBメディカルサービスの血液検査や栄養相談についてご案内しています。検査内容や費用、実際に受けるまでの流れをご確認いただいたうえで、ご検討ください。

KYBメディカルサービス資料
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分子栄養学を、自分に合った形で続けるために
Orthonalize Membership KYB Rewards

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Orthonalize Membership KYB Rewards(オーソナライズ・メンバーシップ・KYBリワード)は、分子栄養学を学び、自分の状態を知り、自分に合った方法で実践・継続していくことを支える仕組みです。

KYBメディカルサービスの血液検査やケンビックス製品等を活用しながら、「人を分子栄養学に合わせるのではなく、分子栄養学をその人に合わせる」というオーソナライズの考え方に基づいて、日々の実践をサポートします。

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本記事は、分子栄養学、栄養学、生化学、医学等に関する一般的な情報を提供し、ご自身の身体や健康について考えるための参考情報としてご利用いただくことを目的としています。

掲載内容は、個別の診断・治療・処方その他の医療行為を行うものではなく、医療専門職による診療に代わるものではありません。治療中の疾患がある方、医薬品を使用している方、症状や体調に不安がある方は、必要に応じて主治医や医療機関へご相談ください。

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