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「健康情報を理解する」とは?数ある分子栄養学の情報から、自分に必要なものを見極める方法

分子栄養学の健康情報を正しく理解し、自分に合った方法を選ぶために、科学的根拠や身体の状態、生活環境を考える女性のイラスト

健康について調べていると、実にさまざまな情報に出会います。

「疲れやすい人は鉄が不足しているかもしれない」「ビタミンDは免疫機能に重要」「マグネシウムは多くの酵素反応に関わっている」など、分子栄養学に関する情報も、インターネットやSNSを通じて簡単に調べられるようになりました。

医師や専門家による解説だけでなく、論文や書籍、YouTube、SNSで紹介される体験談など、情報源もさまざまです。さらに最近では、AIに質問することで、専門的な栄養情報も手軽に得られるようになっています。

しかし、情報が増えるほど、「何が正しいのか分からない」「専門家によって意見が違う」「結局、自分は何をすればよいのだろう?」と迷うこともあるのではないでしょうか。

そこで、健康情報を活用するうえで考えたいことがあります。

それは、「その情報は信頼できるものなのか?」ということと、「その情報は今の自分にも必要なのか?」ということは、必ずしも同じではないということです。

例えば、ある栄養素が身体にとって重要であることは科学的に正しい情報でも、すべての人がその栄養素をサプリメントで積極的に補えば改善が得られるとは限りません。

反対に、今の自分に必要な栄養素があったとしても、その栄養素だけを摂れば、必ずしも期待した結果が得られるわけではありません。

というのも、人の身体は一つの栄養素だけで働いているわけではなく、さまざまな栄養素や身体の機能が関係しながら成り立っているためです。

オーソナライズでは、分子栄養学の基本を学び、自分の状態を知ったうえで、得られた情報を自分に合う形で活用していくことを大切にしています。

そのためには、健康情報をただ集めるのではなく、情報の根拠や意味を理解し、それが今の自分にどう関係するのかを考える力が必要です。

この記事では、数多くある分子栄養学の情報の中から、自分に必要なものをどのように見極め、健康づくりに活用していけばよいのかについて解説します。

ナンナン

今の時代は、ネットで有益な健康情報がタダで集められるから良い時代になったよね❗ オマケに、AIに聞けばオススメの栄養とか全部教えてくれるし❗

はる かおる

確かに、ネットを見ると症状に対して「この栄養素」みたいな情報が手軽に得られるようになったね。でも、症状だけでは自分に合った分子栄養学のアプローチは出来ないんだ

ナンナン

えっ❗❓そうなの❓❓
足りない栄養を補えば不調が改善出来るんじゃないの❓❓

はる かおる

そう思われているけど、実は特定の栄養素だけを摂っても栄養は働くことが出来ないんだ。栄養が働く仕組みを学び、自分の身体の状態に合わせて実践することで初めて意味があるよ。このあたり、詳しく教えてあげるね。

\この記事の解説動画はこちら/


目次

「正しい健康情報」と「自分に必要な健康情報」は違う

分子栄養学を学んでいると、栄養素の働きや身体への影響について、さまざまな知識が増えていきます。

例えば、鉄は赤血球中のヘモグロビンを構成し、酸素を運搬するために欠かせない栄養素です。また、ビタミンB12や葉酸は赤血球が正常につくられるために必要であり、タンパク質もヘモグロビンをはじめとした身体の構成成分になります。

こうした栄養素の働きを知ることは、分子栄養学を実践するうえで大切な基本知識です。

しかし、「ある栄養素が身体に必要である」という情報と、「その栄養素を積極的に補えば改善出来る」という判断は、分けて考えなければなりません。

科学的に正しい情報でも、それだけで実践方法が決まるわけではない

例えば、血液検査で「フェリチン」という項目が低かった場合を考えてみましょう。

フェリチンは、身体の中に蓄えられている鉄の状態を評価するための重要な指標です。私たちの身体には、現在使われている鉄だけでなく、必要なときに利用できるよう蓄えられている鉄があります。これを「貯蔵鉄」(フェリチン)と呼びます。

フェリチンは、鉄を貯蔵する働きを持つタンパク質で、血液中のフェリチン値は貯蔵鉄の状態を評価するための指標の一つです。血液中のフェリチン値をチェックすることで、貯蔵鉄の状態を知るための手がかりになります。

つまり、フェリチン値が低い場合には、身体に蓄えられている鉄が不足している可能性が高いと考えられます。この状態を、一般的に「隠れ貧血」や「潜在性鉄欠乏」「貧血のない鉄欠乏」と呼びます。

具体的には、フェリチンが低い場合には鉄欠乏が疑われますが、ヘモグロビンも低下していれば鉄欠乏性貧血の可能性があります。一方、フェリチンが低くてもヘモグロビンが正常な場合には、貧血のない鉄欠乏(潜在性鉄欠乏)と考えられます。

フェリチン値が上がることと、貧血が改善することは同じではない

潜在性鉄欠乏や鉄欠乏性貧血の場合、鉄の不足を改善するために、食事の見直しや必要に応じて鉄剤、サプリメントなどによる補充を行うことがあります。

その際、フェリチン値を適切な範囲へ回復させることは、鉄の貯蔵量を評価するうえで重要です。

ただし、ここで注意したいことがあります。それは、「フェリチン値が上昇したこと」と「貧血が改善したこと」は、必ずしも同じではないということです。

例えば、フェリチン値が上がっていたとしても、ヘモグロビンが十分に回復していなければ、貧血が改善したとは判断できません。

反対に、ヘモグロビン値が回復して貧血が改善していても、身体に蓄えられている鉄は、まだ十分に回復していない場合があります。つまり、フェリチン値だけが貧血の改善指標ではありません。

ここで知っておきたいのが、フェリチン・赤血球・ヘモグロビンの違いです。

フェリチン・赤血球・ヘモグロビンは、それぞれ何を表しているのか?

私たちの血液には、酸素を全身へ運ぶための「赤血球」が存在しています。そして、赤血球の中には「ヘモグロビン」というタンパク質が含まれています。

ヘモグロビンは、鉄を含む「ヘム」と、タンパク質である「グロビン」から構成され、酸素と結びついて全身へ運ぶ働きをしています。

つまり、赤血球とヘモグロビン、フェリチンは密接に関係していますが、同じものではありません。分かりやすく整理すると、次のようになります。

検査項目主に分かること
フェリチン身体に蓄えられている鉄の状態
ヘモグロビン(Hb)血液が酸素を運ぶ能力を考えるための重要な情報
赤血球数(RBC)血液中にどのくらい赤血球が存在するか
MCV・MCHなど赤血球の大きさや、赤血球1個あたりのヘモグロビン量など
フェリチンは体内の貯蔵鉄の状態を示す指標、赤血球は酸素を運ぶ血液の細胞、ヘモグロビンは赤血球内で酸素と結びつくタンパク質であることを説明した図解

貧血の有無を判断するときには、主にヘモグロビン値を用います。一方、フェリチンは、鉄の貯蔵量を評価するための指標です。そのため、貧血が改善したかどうかは、フェリチン値以外にも、赤血球やヘモグロビン値なども同時に見ていく必要があります。

赤血球やヘモグロビンは「鉄だけ」でつくられているわけではない

鉄は、ヘモグロビンをつくるために欠かせない栄養素です。しかし、赤血球やヘモグロビンの形成には、鉄以外にもさまざまな栄養素が関係しています。

例えば、ヘモグロビンを構成する「グロビン」はタンパク質です。そのため、グロビンをつくるためには、材料となるアミノ酸が必要になります。

また、ビタミンB12や葉酸は、赤血球がつくられる過程で必要なDNA合成や細胞分裂に関わっています。ビタミンB6は、ヘモグロビンを構成する「ヘム」の合成に関係しています。

さらに、銅も鉄の代謝に関わる重要なミネラルです。銅を必要とするタンパク質は、鉄の運搬や利用に関わっています。他にも、亜鉛は赤血球やヘモグロビンの形成にも必要です。

例えば、ヘモグロビンを構成するヘムの合成過程には、「ALA脱水酵素(ALAD)」という酵素が関わっています。この酵素は、正常に働くために亜鉛を必要が必要になります。

そのため、亜鉛が不足すると、ヘムの合成や赤血球の形成に影響を及ぼす可能性があります。

つまり、赤血球やヘモグロビンを正常につくるためには、鉄だけでなく、タンパク質、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、亜鉛、銅など、さまざまな栄養素が関係しているのです。

赤血球やヘモグロビンの形成には、鉄だけでなく、タンパク質、ビタミンB6・B12、葉酸、亜鉛、銅などの栄養素が関わることを説明した図解

そのため、フェリチンが低いからといって、鉄だけを補給すればいいわけではありません。貧血がある場合は、ほかの栄養素の不足も同時に存在している可能性があります。

もちろん、フェリチンが低いからといって、これらの栄養素がすべて不足していると判断できるわけではありません。しかし、鉄の不足が認められる人に、ほかの栄養素の不足も同時に存在している可能性はあります。

例えば、食事量そのものが少ない人であれば、鉄だけでなく、タンパク質やビタミン、ほかのミネラルの摂取量も不足しているかもしれません。

また、胃腸の状態によって十分に食べられない、あるいは栄養素の吸収に問題がある場合には、複数の栄養素に影響が及ぶことも考えられます。

このように、フェリチンという一つの検査項目を見ただけでは、赤血球やヘモグロビンを作るために必要な栄養素の過不足や、栄養の吸収状態までは十分に理解することはできません。大切なのは、「何が足りないか?」よりも「何故不足したのか?」を一緒に考えていくことです。

ナンナン

なんか、不調の原因は鉄不足って書いてあったから鉄サプリだけ飲んでたけど・・・💧
それだけじゃダメってこと❓❓

はる かおる

そうだね。よく、フェリチンが低い人は鉄を補給してフェリチンを上げれば良いみたいに言われていることがあるけど、それだけじゃ不十分なんだ

栄養素だけでなく、なぜ不足したのかも考える

鉄不足が認められた場合、単に鉄を補給するのではなく、なぜ不足しているのかを考えることも必要です。

例えば、食事からの鉄摂取量が不足している場合もあれば、月経によって鉄の喪失が多くなっている場合もあります。消化・吸収の問題が関係していることもあれば、消化管などからの出血によって鉄が失われている場合もあります。

こうした原因が改善されなければ、鉄を補って一時的に数値が回復しても、再び不足する可能性があります。特に、出血や疾患が関係している可能性がある場合には、栄養補給だけで解決しようとしないことが重要です。

そのため、鉄を補うことだけで、フェリチン値含め赤血球の形成に関わるすべての問題が解決するとは限りません。

フェリチン値が十分にあったとしても、それだけで鉄が十分にあるとは限らない

また、フェリチン値が十分にあったとしても、それだけで隠れ貧血が無い、貯蔵鉄が十分にあると判断する事も出来ません。

というのも、フェリチンは鉄の貯蔵量だけを反映するものではなく、感染症や炎症、肝疾患などによってもフェリチン値が上昇することがあります。フェリチンが上がった、十分にあるという数値だけで、貯蔵鉄が十分にあるとは言い切れません。

そのため、貧血の状態や鉄の充足状況を評価する際には、フェリチンだけでなく、ヘモグロビン、赤血球数、MCV・MCHなどの赤血球指標、必要に応じて血清鉄やトランスフェリン飽和率、炎症に関する情報などを組み合わせて考えることが必要です。

フェリチンという一つの検査項目を見ただけでは、赤血球やヘモグロビンがどのような状態にあるのか、十分に理解することはできません。

また、フェリチン値をどの程度まで回復させることが望ましいかについても、年齢、性別、身体の状態、疾患の有無などによって考え方が変わります。

つまり、特定の数字を達成することだけを目的にするのではなく、何を改善するために測定しているのかを考えることが重要です。

科学的に正しい情報でも、それだけで実践方法が決まるわけではないのです。

ナンナン

フェリチンが十分にあっても、鉄不足❓❓
そんな事あるの❓❓

はる かおる

そうそう。身体の仕組みとして、体内に炎症が発生すると鉄が利用出来なくなって貯蔵鉄(フェリチン)が上がることがあるよ。
だから、フェリチン値だけで鉄が足りてるか足りてないかを判断する事は出来ないんだ。

健康情報を理解するには、2つの視点が必要

ここまでの内容を振り返ると、「鉄は赤血球の形成に必要な栄養素である」という情報は科学的に正しいものです。

しかし、そこからすぐに、

「鉄が不足しているから、鉄だけを摂ればよい」

「フェリチン値が上がったから、貧血は改善した」

「ヘモグロビンが正常だから、鉄は十分に足りている」

と結論づけることはできません。

一つの栄養素の働きを知ることと、その栄養素が自分の身体の中でどのように関わっているのかを理解することは、別の段階なのです。

分子栄養学を学ぶということは、栄養素の働きを一つずつ覚えるだけではありません。それらが身体の中でどのようにつながり、協力して働いているのか。そして、自分の身体では今どのような状態にあるのかを理解するこが重要です。

これは鉄に限った話ではありません。マグネシウム、亜鉛、ビタミンD、タンパク質など、どの栄養素についても、単独の働きだけでなく、ほかの栄養素との関係や身体の状態まで含めて考えていく必要があります。

「ある栄養素が身体に必要である」という情報と、「今の自分に必要な実践方法」は、必ずしも同じではないのです。

この違いを理解することが、健康情報を自分に合わせて活用していくための第一歩になります。

では、さまざまな健康情報をどのように理解し、自分に必要なものを判断していけばよいのでしょうか。オーソナライズでは、大きく分けて2つの視点が必要だと考えています。

健康情報を理解するために、科学的根拠や安全性を確認する視点と、自分の身体や生活、目的に合っているかを考える視点を組み合わせることを示した図解

① 情報そのものを正しく理解する

まず必要なのは、その健康情報が何を意味しているのか、どのような科学的根拠に基づいているのかを理解することです。

例えば、「鉄が不足すると貧血になる」という情報に出会った場合、それだけを覚えるのではなく、なぜ鉄が不足すると貧血につながるのか、その仕組みを理解していきます。

鉄はヘモグロビンを構成する栄養素であり、赤血球が酸素を運ぶために必要です。しかし、赤血球の形成には鉄以外の栄養素も関係しており、貧血の原因も鉄不足だけではありません。

こうした身体の仕組みまで理解することで、「鉄が不足すると貧血になる」という情報を、より正確に捉えられるようになります。

また、情報の根拠についても確認する必要があります。その情報は、科学的な研究で示されたものなのか。それとも個人の経験や体験談なのか。研究で示された情報であれば、どのような人を対象に、何を調べ、どのような結果が得られたのか。そして、その研究からどこまでのことが分かるのかを確認することも重要です。

例えば、ある栄養素の摂取によって特定の検査値が改善したとしても、それだけで、すべての人の症状や健康状態が改善するとは限りません。一つの研究だけでは十分に結論を出せないこともあれば、研究によって異なる結果が報告されていることもあります。

そのため、健康情報を理解するときには、単に「効果がある」「身体によい」といった結論だけを見るのではなく、「なぜそう言えるのか」「どのような条件で成り立つ情報なのか」「現時点でどこまで分かっているのか」を考えることが大切です。

そして、科学的に根拠のある情報であっても、効果だけでなく、安全性や注意点まで理解する必要があります。

情報そのものを正しく理解するとは、科学的な根拠と身体の仕組みを踏まえて、その情報が何を示しているのか、そして何までは示していないのかを理解することです。

② その情報と自分の身体との関係を理解する

もう一つ重要なのが、得られた健康情報を、今の自分の身体や生活と照らし合わせて考えることです。

例えば、先ほどの鉄の話に戻ってみましょう。

血液検査でフェリチン値が低く、鉄の貯蔵量が不足していると考えられる場合には、その原因を確認し、必要に応じて鉄を補うことが重要になります。

しかし、実際にどのような対応が必要なのかは、その人の状態によって異なります。食事からの鉄摂取量が不足しているのか。月経などによる出血が関係しているのか。消化・吸収に問題があるのか。

また、ヘモグロビンや赤血球の状態はどうなのか。タンパク質やビタミンB12、葉酸、亜鉛など、赤血球の形成に関わるほかの栄養素についても確認が必要なのか。

こうした情報を組み合わせることで、初めて自分の身体では何が起きている可能性があり、どのような対応が必要なのかを考えられるようになります。

もちろん、すべての人が同じ検査を受けたり、すべての栄養素を補給したりする必要があるわけではありません。

重要なのは、一般的な栄養素の働きを理解したうえで、自分の身体では何が不足しているのか、何が十分なのか、何を確認する必要があるのかを考えることです。

これは、鉄以外の栄養素についても同じです。例えば、ビタミンB12が身体にとって重要な栄養素であることと、今の自分がビタミンB12をサプリメントで補う必要があるかどうかは、別の問題です。

すでに十分な量を摂取できている人と、不足している人では、追加摂取によって期待できる効果も異なる可能性があります。

また、年齢、性別、ライフステージ、現在の病気や服薬、食生活、消化・吸収の状態などによっても、適切な方法は変わります。さらに、身体にとって必要な方法であっても、自分の生活の中で実践できるかどうかも考えなければなりません。

例えば、特定の栄養素を食事から十分に摂ることが望ましいと分かっていても、仕事や家庭の事情によって、毎日そのための料理を準備することが難しい人もいるでしょう。

その場合には、手軽に利用できる食品を取り入れたり、必要性と安全性を確認したうえでサプリメントを活用したりするなど、自分の生活に合った方法を検討することもできます。

加えて、貧血などの異常が認められる場合には、貧血になった原因を探るためにも、医療機関で原因を確認することも必要です。

SNSで「フェリチンは○○以上が理想」と書かれていたとしても、その数字がどのような条件で設定されているのか、自分の状況にも適用できるのか、その情報が自分にとって正しいかは別問題です。

このように、情報として正しいことが、そのまま自分にとって必要な実践方法になるとは限りません。

以前の記事「分子栄養学で『自分を知る』とは?」では、血液検査だけでなく、症状、体組成、食事、睡眠、活動量、病歴、生活環境などを組み合わせて、自分の状態を理解することの重要性を解説しました。

自分の身体や生活について理解しているからこそ、新しい健康情報に出会ったときにも、その情報が今の自分に必要なのかを考えられるようになります。

健康情報を自分に合わせるためには、情報についての知識だけでなく、自分自身についての知識も必要なのです。

ナンナン

うーん、自分の状態が分からないと、ちゃんとした実践方法は出来ないってこと❓


はる かおる

そういうことになるね。鉄不足は鉄を補給した方が良いという情報は科学的に合っていたとしても、その人はもしかしたら消化管からの出血で鉄不足、貧血になっているかもしれない。だから、情報が科学的に合っていることと、自分に合っているかどうかは別問題なんだ

その健康情報は、本当に自分に合っている? 有名人の情報でも、それが自分に合っているとは限らない

健康情報を調べるとき、多くの人は「誰が発信しているのか」を確認すると思います。

医師や管理栄養士などの専門職、大学の研究者、長年分子栄養学に携わってきた専門家など、専門的な知識や経験を持つ人の情報は、健康について学ぶうえで大切な情報源になります。

一方で、有名な専門家が発信しているからといって、その情報が必ずしも自分に合っているとは限りません。

例えば、ある医師がYouTubeで「鉄不足が疲労感に関係する場合がある」と解説していたとします。

それは医学的に重要な情報ですが、その動画を見た人が全員、鉄不足によって疲れていると判断できるわけではありません。

実際の相談や診療の中では、研究だけでは十分に説明できない個人差に出会うこともあります。そのため、専門家の情報であっても、個人差までは考慮されていない点に注意が必要です。

また、専門家によって意見が異なることもあります。

その理由としては、参照している研究や情報が異なる場合もあれば、研究結果の解釈が異なる場合もあります。あるいは、そもそも科学的な結論がまだ十分に定まっていない場合もあります。

そのようなときには、誰か一人の意見をすぐに正解とするのではなく、なぜ意見が異なるのかを考えることが大切です。

さらに、健康情報の中には、商品やサービスの販売を目的として発信されているものもあります。

サプリメントを販売している企業や専門家が発信しているからといって、その情報が必ず間違っているわけではありませんが、メリットだけでなく、安全性や限界についても適切に説明されているかを確認する必要があります。

消費者庁も、健康食品について、広告のキャッチコピーや体験談だけを信用せず、成分の安全性や有効性を確認することを勧めています。消費者庁

つまり、「専門家が発信している一般的な健康情報」と「自分の状態を確認したうえで受ける個別の助言」は異なるということです。

「効果があった」という体験談は参考になる?

また、SNSやブログ、動画などでは、健康法やサプリメントを実践した人の体験談を目にすることがあります。

「このサプリメントを飲み始めてから、疲れにくくなった」
「食生活を変えたら、体調が良くなった」
「分子栄養学を実践したことで、以前より元気に過ごせるようになった」

こうした体験談は、実際にその人が経験した変化を知るための情報です。

また、同じような悩みを抱えている人にとって、新しい方法を知るきっかけになることもあると思います。

ただし、「その人に変化があったこと」と「紹介されている方法が、その変化を引き起こしたこと」は、必ずしも同じではありません。

例えば、ある人が鉄のサプリメントを飲み始めてから、疲れにくくなったとします。

しかし、その人は同じ時期に食生活を見直していたかもしれません。睡眠時間が増えたのかもしれませんし、仕事の負担が減っていたのかもしれません。

また、鉄の補給が実際に体調の変化に関係していたとしても、その人がもともと鉄不足だったのか、ほかの栄養素にも不足があったのかなど、さまざまな条件によって結果の意味は変わります。

そのため、一人の体験談だけでは、何がどの程度変化に寄与したのかを正確に判断することは難しいのです。

つまり、体験談は「その人に起きたこと」を知るための情報であって、その方法の有効性や安全性を科学的に証明するものではありません。

健康食品についても、体験談だけでは安全性や有効性を判断できないことが、国の資料で注意喚起されています。消費者庁

大切なのは、誰かの成功体験を「自分の正解」として受け取るのではなく、自分で考えるための材料として活用することです。

ナンナン

いつもフォローしている人の健康情報を参考にしてたけど・・・
その情報は自分にとっての正解じゃないって事か💧

はる かおる

そうだね。誰かの正解が自分の正解とは限らないよ。
ネットやSNSの情報はあくまで一般論や個人の体験が元になっているから、そのまま自分に当てはまるわけじゃないんだ

論文があることと、自分に合っていることは違う

加えて、SNSやブログ、動画などでは、論文を根拠に栄養の効果や摂取後の変化が解説されている場合があります。このような情報も、論文の結果だけで自分に合っているとは限りません。

例えば、ある研究で「特定の栄養素を摂取したグループに、望ましい変化が認められた」という結果が報告されたとします。

しかし、そこからすぐに「その栄養素を多く摂れば不調や病気が改善出来る、予防出来る」と結論づけることはできません。

なぜなら、その栄養素を多く摂取している人は、ほかの食生活や運動習慣、生活環境なども異なっている可能性があります。また、その他の病態や消化吸収能力、その他の必要な栄養素の補給状況も異なっている可能性があります。

そのため、ある栄養素が身体の中で特定の働きに必要であることが分かっていたとしても、その栄養素をサプリメントで追加摂取することで、特定の症状が改善するかどうかは別の問題です。

また、細胞を使った実験や動物実験で望ましい結果が得られていても、実際の人間で同じ効果が得られるとは限りません。

身体の中で必要な役割を持っていることと、それを通常より多く摂取したときに健康上の効果が得られることは、同じではないのです。

AIは、自分の身体のすべてを知っているわけではない。AIに答えを決めてもらうのではなく、自分で考えるために使う

近年、健康情報を調べるための新しい手段として、AIを活用する人も増えています。

特にAIは、栄養素の働きを調べたり、難しい専門用語を理解したり、複数の情報を整理したりする際に役立ちますよね。

ですが、AIについて理解しておきたいことがあります。

それは、AIが詳しく答えてくれることと、その回答が自分に合っているかは、必ずしも同じではないということです。

例えば、AIに「最近疲れやすいのですが、どの栄養素を摂ればよいですか?」と質問したとします。

すると、鉄、ビタミンB群、マグネシウムなど、疲労感に関係する可能性のある栄養素について説明が返ってくるかもしれません。

しかし、その回答だけで、今の自分にそれらの栄養素が不足していると判断することはできません。なぜなら、AIが把握している情報は、質問の内容や、利用者が入力・共有した情報などに限られるためです。

実際の身体の状態や病歴、服薬状況、生活環境などについて十分な情報がなければ、回答も一般的な内容になりやすくなります。

また、血液検査の結果などをAIに伝えた場合でも、すべての項目を医学的に適切に解釈できるとは限りません。

例えば、フェリチン値だけを伝えて鉄不足について質問した場合と、ヘモグロビン、赤血球指標、症状、病歴なども含めて質問した場合では、AIが説明できる内容も変わります。

情報を多く入力すれば、回答の精度も上がりますが、それだけで医学的に正しい判断ができるようになるわけでもありません。

そのため、AIは、自分について考えるための情報整理には役立ちますが、自分の身体を直接診察している医師と同じ役割を果たすものではないということを理解しておく事が必要です。

また、健康情報には、病歴や検査結果、服薬状況などの個人情報が含まれます。AIサービスへ情報を入力する際には、そのサービスの個人情報の取り扱いや保存・利用条件を確認し、必要以上に個人を特定できる情報を共有しないよう注意して下さい。

ナンナン

げっ・・・💦
困った時はAIに色々聞いてたけど・・・これも会ってるわけじゃないのか

はる かおる

そうだね。AIは何でも答えてくれるけど、自分の状態を全て知っているわけじゃないからその答えがあっているとは限らないんだ

分子栄養学の情報を参考にする際のポイント。栄養素は単独ではなく、互いに関係しながら働いている

では、科学的な根拠があり、自分の身体にも関係があると思われる栄養情報を見つけた場合、その情報をどのように実践へつなげればよいのでしょうか。

例えば、「マグネシウムはエネルギー代謝に必要」「ビタミンDはカルシウムの吸収に関わる」「亜鉛は多くの酵素の働きに必要」といった情報があったとします。

これらは、栄養素が身体の中で果たしている重要な役割についての情報です。

しかし、ある栄養素が身体にとって重要だからといって、その栄養素を積極的に補給すれば、必ず健康上の効果が得られるというわけではありません。

なぜなら、人の身体は、一つの栄養素だけで働いているわけではなく、複数の栄養素や身体の機能が互いに関係しながら働いているためです。

さらに、栄養素を摂取することと、その栄養素が消化・吸収され、身体の中で適切に利用されることも、同じではありません。

分子栄養学の情報を理解するときには、こうした身体の仕組みまで考えることが重要になります。

栄養素は単独ではなく、互いに関係しながら働く

分子栄養学を学ぶうえで、最初に理解しておきたいことの一つが、栄養素はそれぞれ独立して働いているわけではないということです。

例えば、骨の健康について考えてみましょう。

骨の健康に重要な栄養素として、カルシウムがよく知られています。また、ビタミンDがカルシウムの吸収に関わっていることも、広く知られるようになりました。

しかし、骨の健康を維持するために必要なのは、カルシウムとビタミンDだけではありません。骨は、カルシウムなどのミネラルだけでできているわけではなく、コラーゲンを中心としたタンパク質の構造も持っています。

また、骨の形成や維持には、リン、マグネシウム、ビタミンKなどの栄養素も関わっています。さらに、骨の状態は栄養素だけで決まるものでもありません。

身体にどの程度の負荷がかかっているのか、どのような運動をしているのか、年齢やホルモンの状態、病気や服薬など、さまざまな要因が関係しています。

つまり、「カルシウムが骨に必要である」という情報は正しくても、そこから「カルシウムだけを多く摂れば骨が丈夫になる」と結論づけることはできないのです。

これは、前の章で解説した赤血球の形成についても同じです。

鉄はヘモグロビンをつくるために必要ですが、赤血球の形成にはタンパク質、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、亜鉛、銅など、ほかの栄養素も関係しています。

このように、人の身体では複数の栄養素がそれぞれ異なる役割を持ち、互いに関係しながら働いています。

「ある栄養素が必要である」という情報を理解するときには、その栄養素が何と関係し、身体の中でどのような役割を果たしているのかまで考えることが大切です。

栄養素の働きを一つずつ覚えるだけではなく、それらが身体の中でどのようにつながっているのかを理解する。

重要なのは、栄養素同士の関係を理解したうえで、今の自分には何が不足している可能性があり、何を補う必要があるのかを考えることです。

この視点が、分子栄養学の知識を自分に合わせて活用するための土台になります。

「栄養を摂ること」と「身体で利用できること」は違う

もう一つ重要なのが、「栄養素を摂取していること」と「その栄養素を身体で利用できていること」は、必ずしも同じではないという点です。

例えば、タンパク質を十分に摂ろうと考え、肉や魚、卵などを積極的に食べていたとします。

しかし、食事量を増やしたことで胃もたれが強くなったり、少量でもお腹がいっぱいになったり、腹部膨満や下痢などが続いていたりする場合には、食事内容だけでなく、消化器の状態も考える必要があります。

もちろん、こうした症状があるからといって、必ず栄養素の消化・吸収に問題があるとは限りません。

ただし、栄養を考える際には、「何をどれだけ食べたか」だけでなく、その食事を無理なく食べられているのか、消化・吸収に影響する問題がないかという視点も必要です。

私たちが食べたものは、消化管で消化され、栄養素として吸収されたあと、血液などを通じて身体のさまざまな組織へ運ばれます。

そして、細胞の中で必要な形へ変換されたり、ほかの物質と組み合わされたりしながら利用されます。

食事やサプリメントから栄養素を摂取することと、消化・吸収・代謝を経て身体の中で利用されることの違いを説明した図解

例えば、食事から摂取したタンパク質は、消化によってアミノ酸などに分解され、吸収されたあと、身体の中で必要なタンパク質を合成するための材料になります。

また、ビタミンDは、食事やサプリメントから摂取したもの、皮膚で合成されたものが、そのまま最終的な活性型として働くわけではありません。主に肝臓と腎臓で代謝され、活性型ビタミンDへと変換される過程があります。

このように、栄養素が身体の中で働くまでには、摂取、消化・吸収、運搬、代謝、利用など、さまざまな過程が関わっています。1

したがって、ある栄養素を十分に摂取していたとしても、身体の状態によっては、その栄養素の吸収や代謝、利用に影響が生じる場合があります。

また、身体で利用できる状態にあっても、食事全体のエネルギー量や運動、睡眠、疾患などの条件によって、期待する身体の変化が得られるかどうかは異なります。

例えば、筋肉量を増やしたいと考えてタンパク質を摂取しても、適切な運動や十分なエネルギー摂取など、ほかの条件が整っていなければ、期待するほど筋肉量が増えない場合があります。

つまり、栄養素を摂取した量だけを見て、身体でどの程度利用されているのか、どのような効果が得られているのかを判断することはできないのです。

ここで必要になるのが、以前の記事で解説した「自分を知る」という考え方です。

食事内容や消化器の症状、身体の状態、血液検査、体組成などの情報を組み合わせながら、必要に応じて医療的な評価も受けることで、今の自分について理解を深めていきます。

「摂ること」と「使えること」の違いを理解することは、サプリメントの摂取量だけで健康状態を判断しないためにも重要な視点です。

ナンナン

栄養を摂ることと使える事は違う❗❓
摂れば摂っただけ使われるんじゃないの❗❓

はる かおる

そう思われることが多いけど、栄養は身体の中で必要に応じて、かつチームで働いているよ。だから、特定の栄養素を大量にとっても、身体の中で働けるわけじゃないんだ

栄養素は単に「多く摂ればよい」とは限らない

栄養素が身体にとって重要だと知ると、「それなら、できるだけ多く摂った方がよいのではないか」と考えることがあるかもしれません。

しかし、栄養素は不足していることだけが問題になるわけではありません。種類や摂取量によっては、過剰に摂取することで健康上の問題が生じる場合もあります。

例えば、亜鉛について考えてみましょう。亜鉛は、タンパク質の合成、細胞分裂、免疫機能など、身体のさまざまな働きに関わる重要なミネラルです。

そのため、亜鉛が不足している場合には、適切に補うことが必要になります。しかし、亜鉛をサプリメントなどで過剰に摂取し続けると、銅の吸収が妨げられることがあります。

銅も鉄の代謝や赤血球の形成に関係する重要な栄養素です。そのため、亜鉛の過剰摂取によって銅が不足すると、貧血などの問題が生じる場合があります。

これは、ある栄養素を多く補給することで、別の栄養素の状態に影響が及ぶという分かりやすい例です。

米国NIHの亜鉛に関する資料でも、高用量の亜鉛を継続して摂取することによる銅の吸収阻害や、銅欠乏に関連した健康上の問題について説明されています。ODS

一つの栄養素で、すべての不調を解決しようとしない

分子栄養学に関する情報を見ていると、「この症状には、この栄養素が関係している」といった説明に出会うことがあります。

例えば、疲労感と鉄、筋肉のけいれんとマグネシウム、味覚の異常と亜鉛など、栄養状態と症状の関係を紹介している情報があります。

こうした知識は、身体の状態を考える際の手がかりになることがあります。

しかし、ある栄養素の不足によって特定の症状が起こることがあるからといって、その症状がある人は必ずその栄養素が不足しているとは限りません。

例えば、疲労感の背景には、栄養不足だけでなく、睡眠不足、過度な活動、ストレス、感染症、内分泌疾患、その他の病気など、さまざまな可能性があります。

同じ症状があったとしても、その背景が人によって異なることは珍しくありません。

そのため、「疲れやすいから鉄を摂る」「筋肉がつるからマグネシウムを摂る」といったように、症状と栄養素を一対一で結びつけてしまうと、実際に必要な対応を見落としてしまう可能性があります。

また、複数の栄養素が不足している場合や、栄養以外の問題が関係している場合もあります。

ここで大切になるのが、前述した「栄養素は互いに関係しながら働いている」という考え方です。一つの症状から、一つの栄養素だけを探すのではありません。

身体の中でどのようなことが起きている可能性があるのかを考え、必要な情報を組み合わせながら理解していくことが重要です。

そのためには、症状や食事内容、生活習慣、病歴などを確認し、必要に応じて血液検査や医療機関での評価を受けることも大切になります。

以前の記事「分子栄養学で『自分を知る』とは?」でも説明したように、オーソナライズでは、一つの検査値や症状だけで自分の状態を決めつけないことを大切にしています。

検査値だけを見るのではなく、検査値も含めて「その人」を見る。

そして、栄養素だけを見るのではなく、栄養素も含めて身体全体を見る。

このように考えることで、健康情報をより適切に理解し、自分に必要な方法を検討できるようになります。

ナンナン

ネットに疲れやすい原因は鉄不足って書いてあったから今まで鉄サプリを飲んでたけど・・・一種類を補給しただけじゃ、意味が無いんだね

はる かおる

そうだね。分子栄養学の実践は、この栄養素の働きを理解して、自分の身体の状態に合わせて行う事が重要だよ。特定の栄養素だけを摂って不調を改善させようとするのは、分子栄養学では無いんだ

健康情報に振り回されず、自分に合った分子栄養学を実践するには?

ここまで、健康情報の付き合い方や、分子栄養学の情報を参考にする際のポイントについて解説してきました。

では、実際に新しい健康情報や良さそうに思える健康情報に出会ったとき、その情報を自分の健康づくりに取り入れるべきかどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか。

健康情報を実践するときには、まず、その方法を取り入れる目的を明確にしておくことが大切です。

例えば、「タンパク質をしっかり摂った方がよい」という情報を知ったとします。しかし、その情報を知ったからといって、タンパク質の摂取量を増やせば増やすほど良いというわけではありません。

現在の食事でどのくらい摂取できているのか。身体の状態や活動量に対して不足している可能性があるのか。そもそも、なぜタンパク質の摂取量を見直したいと考えているのでしょうか。

筋肉量を維持したいからなのか。食事全体の栄養バランスを整えたいからなのか。あるいは、SNSで「タンパク質を増やすとよい」と紹介されていたからでしょうか。

目的が異なれば、必要な方法も変わります。また、実践する目的が明確になっていなければ、取り入れたあとに何を確認すればよいのかも分かりにくくなります。

例えば、糖代謝の悪化や低血糖の原因の1つに、筋肉量の低下があります。糖代謝をアップするために筋肉量の維持や向上を目的としているのであれば、タンパク質の摂取量だけでなく、運動習慣や食事全体のエネルギー量、身体の変化なども考える必要があります。

一方、タンパク質の消化吸収が苦手な状態ならば、無理なくタンパク質を補給し続けられる方法を確認することが重要になります。

このように、「何を取り入れるか」だけでなく、「何のために取り入れるのか」を考えることで、実践後に確認するべきことも明確になります。

また、目的を明確にしておくことは、健康情報を実践すること自体が目的になってしまうのを防ぐためにも役立ちます。

大切なのは、その方法が、自分の目指している身体や生活につながっているのかを考えることです。

自分を知り、実践する。実践したあとは、身体と生活の変化を観察することが大切

自分に必要な方法を選び、分子栄養学を実践するためには、自分を知るということが欠かせません。自分を知る方法としては、オーソモレキュラー療法の血液検査などがあります。まずは検査を受けて、自分に必要な方法を実践してみてください。

ただ、検査を受けて自分に必要だと考えられる方法を実践したとしても、そこで終わりではありません。

なぜなら、その方法が今の自分の身体や生活にどのような影響を与えるのかは、実際の経過を確認して初めて分かることもあるためです。

健康情報を学び、自分の状態と照らし合わせ、必要な方法を選んで実践し、振り返りながら調整していくオーソナライズの循環を示した図解

例えば、プロテインでタンパク質を補給する場合、ホエイプロテインが良いと言われていても、実際に飲んでみたらホエイプロテインよりもソイプロテインの方が体に合っているように感じたということもあります。

また、プロテインを○○グラム以上補給した方が良いとされていても、実際に飲んでみたら「お腹が張る」「飲みにくい」など感じる事があるかもしれません。

そして、実際に摂取をしていても、消化吸収能の状態によっては栄養がうまく身体に吸収されていない、利用されていないということもあります。

ここで大切なのは、数値だけを見ることでも、体感だけで判断することでもありません。自分が何を改善したいのかを踏まえて、身体と生活の両方から変化を確認し、改善していく事です。

期待した変化が得られなくても、それが学び、改善につながる

特に、分子栄養学の実践は生活習慣の改善でもあります。分子栄養学を実践しても、すぐに期待した変化が得られるとは限りません。

例えば、血液検査を受けてサプリメントを摂ったとしても、すぐに体調に大きな変化を感じなかったとします。

そのとき、「この方法は意味がなかった」と考えてしまうこともあるかもしれません。しかし、変化が感じられなかった理由には、さまざまな可能性があります。

そもそも実践する期間が短かったのかもしれませんし、逆に食生活、栄養状態の改善につながっていても、短期間では自覚できるような変化が起こらない場合もあります。

あるいは、期待していた体調の変化には、栄養以外の要因が大きく関係している可能性もあります。

ここで重要なのは、期待した結果が得られなかったときに、何が考えられるのかを振り返ることです。

特にサプリメントの場合、特定の栄養素のみが高濃度に含まれている物もあれば、分子栄養学を実践するために栄養素の働きを考慮して複合体で含まれている物もあります。

先ほども解説した様に、栄養は単独では働くことが出来ません。実践しても期待した変化が得られない場合には、その方法や使用しているサプリメントに問題が無いかを改めて考えることも大切です。

また、食事や栄養などの消化・吸収には個人差があり、無理なく続けられる量には個人差があります。必要な量も個人差があり、少量しか補給していないのであればそもそも補給量が足りていないかもしれません。

つまり、実践した結果は、「成功した」「失敗した」という二つだけで評価するものではありません。

期待した変化が得られた場合にも、得られなかった場合にも、そこから何を理解できるのかを考えることが大切なのです。

このように、実践と振り返りを繰り返すことで、最初は一般的な知識だった健康情報が、少しずつ自分の身体や生活について考えるための知識へと変わっていきます。

身体も生活も変わるため、必要な情報も変わっていく

また、私たちの身体や生活は、時間とともに変化しています。例えば、年齢を重ねることで、筋肉量や身体活動量、食事量などが変化する場合があります。

特に、妊娠や出産、仕事の変化、引っ越し、生活リズムの変化などによっても、必要な栄養や実践できる方法が変わることがあります。

同じ人であっても、数年前の自分と今の自分では、身体の状態も生活環境も同じとは限りません。

例えば、以前は月経があって貧血が酷かった女性でも、閉経を迎えた後は出血が落ち着く場合があります。その場合、以前と同じ量の鉄サプリメントを続けることが、今も最適であるとは限りません。

反対に、以前は必要が無かった栄養素も、閉経や更年期など身体の状況の変化によって新たに必要になる場合もあります。

つまり、以前は必要だった方法が、今は必要ないこともあれば、以前は必要なかった方法が、今は必要になることもあるのです。

だからこそ、オーソナライズでは、一度決めた実践方法にこだわり続けるのではなく、身体や生活の変化に合わせて、必要な方法を見直していくことを大切にしています。

ただし、必要性が変わるからといって、頻繁に方法を変更することがよいわけではありません。栄養状態や身体の変化には時間がかかるものもありますし、一定期間継続することで初めて評価できる方法もあります。

重要なのは、何のために続けているのか、どのような変化を確認するべきなのかを理解したうえで、必要なときに見直すことです。

特に、疾患の治療や医学的な栄養管理が必要な場合には、自己判断で中止・変更せず、医師などの専門家と相談しながら調整する必要があります。

学ぶ・実践する・振り返る。その循環が、自分を知ることにつながる

ここまで説明してきたように、分子栄養学は1つの方法を学んでそれだけを実践すればいいというものではありません。

まず、科学的な根拠を確認し、栄養素や身体の仕組みについて理解する。次に、自分の身体や生活、目的と照らし合わせて、必要な方法を考える。そして、安全性を確認したうえで実践し、身体や生活の変化を観察する。

その結果を振り返り、必要に応じて方法を調整したり、新しい情報を調べたり、専門家へ相談したりする。

このような循環を繰り返すことで、健康情報についての理解だけでなく、自分自身についての理解も深まっていきます。

健康情報を理解する力とは、一度正しい答えを覚えることではなく、学び、実践し、振り返りながら、その時々の自分に必要な方法を考えられるようになることです。

これは、オーソナライズの価値観である「気づき・探究・自立」にもつながります。

健康情報をきっかけに、自分の身体について新しいことに気づく。その気づきから疑問が生まれ、さらに学び、探究する。そして、学んだ知識や経験を活用しながら、自分で考え、必要な方法を選べるようになる。

この循環を通じて、少しずつ自分の健康づくりに主体的に取り組めるようになっていきます。

ナンナン

やっぱ、血液検査を受けて自分に必要な栄養や状態を確認しながら行った方が良いんだね

はる かおる

そうだね。タンパク質や栄養の消化吸収能力、需要は人それぞれ違うよ。ネットの情報から答えを探すんじゃ無くて、自分の身体から答えを見つけることが必要なんだ

分子栄養学を自分に合わせるためのオーソナライズの7つの判断軸

最後に、分子栄養学を自分に合わせるためのオーソナライズの7つの判断軸をご紹介します。オーソナライズとは、人を分子栄養学に合わせるのではなく、分子栄養学をその人に合わせて活用していく考え方です。

オーソナライズでは、分子栄養学の知識をそのまま実践するのではなく、自分の身体や生活、目的などに照らし合わせながら、どのような方法が適切なのかを考えていきます。

その際に利用するのが、次の7つの判断軸です。

判断軸考えること
① 科学・安全性科学的な根拠はあるか。安全に実践できるか
② 身体今の自分の身体に必要な方法なのか
③ 目的自分が目指している状態や生活につながるか
④ 生活現在の生活習慣や環境に合っているか
⑤ 価値観・楽しみ自分が大切にしたいことや楽しみと両立できるか
⑥ 負担時間・費用・手間などが過度な負担にならないか
⑦ 継続・調整可能性無理なく続けられ、必要に応じて変更できるか
科学・安全性を土台に、身体、目的、生活、価値観・楽しみ、負担、継続・調整可能性の7つの判断軸から、自分に合った健康づくりを考える図解

ここで重要なのは、7つの判断軸が、すべて同じ役割を持っているわけではないということです。

科学・安全性は、健康情報を実践するかどうかを考えるための土台になります。

科学的な根拠が十分に確認できない方法や、安全性に重大な懸念がある方法については、生活に取り入れやすいから、費用が安いから、楽しそうだからという理由だけで採用するべきではありません。

まず科学的な妥当性と安全性を確認し、そのうえで、自分の身体や目的、生活などに合っているかを考えていきます。

また、7つの判断軸は、すべての項目に点数をつけ、合計点が高い方法を選ぶためのものでもありません。

例えば、生活に取り入れやすい方法であっても、自分の身体には必要ない場合があります。反対に、身体にとって必要な方法であれば、多少の負担があっても、優先して取り組むべき場合もあるでしょう。

大切なのは、7つの視点を使って、それぞれの方法が自分にとってどのような意味を持つのかを整理することです。

① 科学・安全性|その方法を取り入れる根拠はあるか?

最初に確認するのは、科学的な妥当性と安全性です。

例えば、ある栄養素について「免疫機能を高める」「疲労感を改善する」と紹介されていた場合、その効果は人を対象とした研究によって確認されているのでしょうか。

また、効果が確認されているとしても、どのような条件で、どの程度の効果が認められたのでしょうか。

前の章でも解説したように、栄養素が身体の中で重要な働きをしていることと、その栄養素を追加摂取することで健康上の効果が得られることは同じではありません。

さらに、研究で効果が確認されていたとしても、安全性を考える必要があります。栄養素によっては、過剰摂取による健康上の問題が生じたり、医薬品との相互作用が起こったりする場合があります。

そのため、健康情報を実践へつなげる際には、期待できる効果だけでなく、起こり得るリスクや注意点まで理解することが大切です。

② 身体|今の自分に本当に必要なのか?

科学的な根拠と安全性を確認したら、次に考えるのが、今の自分の身体に必要な方法なのかということです。

例えば、鉄が赤血球の形成に重要であることは分かっていても、すべての人が鉄のサプリメントを積極的に摂取する必要があるわけではありません。

鉄不足によって貧血になっている人と、ビタミンB12の不足によって貧血になっている人では、必要な対応が異なります。

同じように、タンパク質やマグネシウム、ビタミンDなどについても、現在の摂取状況や身体の状態を考える必要があります。

また、ある症状が栄養不足と関係することが知られていても、その症状があるという理由だけで、不足している栄養素を特定することはできません。

そのため、食事内容、症状、病歴、服薬状況、体組成、必要に応じた検査結果などを組み合わせながら、自分の状態を理解していきます。

以前の記事「分子栄養学で『自分を知る』とは?」で説明した考え方が、ここでも重要になります。

今の自分がどのような状態なのかを知ることが、自分に必要な情報を判断するための出発点になるのです。

③ 目的|自分が目指している状態につながるか?

次に考えたいのが、その健康情報を実践することで、自分が目指している状態に近づけるのかということです。

例えば、健康づくりの目的が「筋肉量を増やして、疲れにくく動ける身体になりたい」というものであれば、食事のエネルギー量やタンパク質の摂取状況、運動、休養などが重要になります。

一方、「将来の骨の健康を維持したい」という目的であれば、骨の状態や骨折リスクに応じて、カルシウムやビタミンDなどの栄養状態、運動習慣、病歴などを考える必要があります。

どちらも健康づくりですが、目指している状態が異なれば、優先して取り組む内容も変わります。

また、健康情報を学んでいると、検査値や体重、体脂肪率などを改善すること自体が目的になってしまう場合があります。しかし、これらの数字は、本来、自分が目指している状態へ近づいているかを確認するための指標です。

検査値を改善することそのものが最終目的なのではなく、その先でどのような身体や生活を実現したいのかを考えることが大切です。

オーソナライズで大切にしているのは、健康を人生の最終目的にするのではなく、健康を自分が望む人生のために活用していくことです。

④ 生活|実際の生活の中で取り入れられるか?

身体にとって必要で、目的にも合っている方法であっても、現在の生活の中で実践できるとは限りません。

例えば、魚を食事に取り入れることが望ましいと分かったとしても、仕事で帰宅が遅く、毎日調理する時間を確保できない人もいるでしょう。

また、一人暮らしの人と、家族全員の食事を準備している人では、実践しやすい方法も異なります。夜勤のある人と、毎日同じ時間に働いている人では、食事や睡眠の時間も違います。さらに、住んでいる地域や季節によって、手に入りやすい食材や価格が異なることもあります。

そのため、理論上は望ましい方法であっても、それをそのまま自分の生活に当てはめることが難しい場合があります。

しかし、だからといって、その健康情報をすべて諦める必要はありません。例えば、毎日魚料理を作ることが難しければ、缶詰や冷凍食品などを活用する方法もあります。

重要なのは、「理論上望ましい方法」をそのまま実践することではなく、その考え方を自分の生活に合う形へ調整することです。

⑤ 価値観・楽しみ|大切にしたい生活と両立できるか?

健康づくりを考える際には、自分が大切にしていることや、日々の楽しみとの関係も重要です。

例えば、健康のために食事内容を見直すことは大切です。しかし、そのために家族との外食や、友人との食事、旅行先での楽しみまで、すべて我慢しなければならないのでしょうか。

もちろん、病気の治療などで食事制限が必要になる場合もあります。

しかし、医学的に必要な制限がないにもかかわらず、理想的な栄養摂取を追求するあまり、食事の楽しみや人との時間を過度に制限してしまうのであれば、健康づくりの目的をもう一度考えてみてもよいかもしれません。

例えば、普段の食生活を整えながら、旅行先ではその土地の料理を楽しむ。日常では栄養バランスを意識しつつ、大切な人と食事をするときには、その時間を楽しむことも大切にする。

そのような方法も考えられます。

人は、栄養素を摂取するためだけに食事をしているわけではありません。

食事には、楽しみや人とのつながり、文化や習慣など、さまざまな意味があります。オーソナライズでは、栄養学的な理想だけでなく、自分が大切にしたい生活や価値観も含めて、健康情報を活用していくことを大切にしています。

⑥ 負担|時間・費用・手間は適切か?

健康情報を実践するためには、時間や費用、手間などが必要になる場合があります。

例えば、サプリメントを継続して購入する場合には、毎月一定の費用がかかります。また、食生活を大きく変える場合には、食材の購入や調理、食事の準備などに時間が必要になることもあります。

検査についても、必要な情報を得るために有用な場合がありますが、費用や時間、身体的な負担などを考慮する必要があります。

もちろん、費用や手間がかかるからという理由だけで、必要な医療や栄養補給を避けるべきではありません。

しかし、同じような目的を達成するために複数の方法がある場合には、負担の少ない方法を検討することにも意味があります。

例えば、検査によっては10万円程度の費用がかかるものもあります。このような高額な検査は、果たして本当に自分にとって必要なのか。また、自分と子供で必要な食生活が大きく異なる場合、どのようにすれば続けやすいのか。自分にとって、どの栄養素の補給が優先順位が高いのか。

栄養補給が必要だと分かった場合に、どのような方法なら継続可能かを考えます。

健康づくりのために、生活全体へ過度な負担をかけてしまわないようにすることも大切です。

⑦ 継続・調整可能性|続けられるか、必要に応じて変えられるか?

最後に考えたいのが、その方法を無理なく続けられるか、そして必要に応じて調整できるかということです。

例えば、血糖コントロールのために、毎日決められた時間に決められたものだけを食べる方法を考えたとします。しかし、仕事の都合で食事時間が変わることもあれば、旅行や外食などで普段と違う食事をすることもあります。

そのたびに「決めた方法を守れなかった」と考えてしまうのであれば、長期的に続けることが難しくなるかもしれません。

健康づくりは、短期間だけ理想的な生活を送れば終わるものではありません。身体の状態や生活環境は、時間とともに変化します。

年齢を重ねたり、仕事や家族構成が変わったり、運動量が増減したりすることで、必要な栄養素や実践しやすい方法が変わる場合もあります。

そのため、今の自分に合っている方法であっても、将来まで同じ方法を続ける必要があるとは限りません。

大切なのは、一度決めた方法を守り続けることではなく、身体や生活の変化に合わせて、必要な方法を見直せることです。

7つの判断軸は、自分に合った方法を考えるための道具

ここまで説明した7つの判断軸は、健康情報に対して唯一の正解を導き出すためのものではありません。

科学的な根拠がある情報でも、自分の身体の状態によって必要性は変わります。また、身体にとって必要な方法であっても、目的や生活環境、価値観、負担などによって、実践しやすい形は異なります。

人を分子栄養学に合わせるのではなく、分子栄養学をその人に合わせる。

そのためには、健康情報を理解するだけでなく、自分の身体や生活、目的と照らし合わせながら、必要なものを選んでいくことが大切です。

そして、その判断は一度行えば終わりというわけではありません。

実際に取り入れた方法が、自分の身体や生活にどのような影響を与えているのかを確認し、必要に応じて見直していくことが重要です。

ナンナン

分子栄養学を人に合わせるのではなく、分子栄養学をその人に合わせる、かぁ・・・
ネットの情報を見て同じ方法を延々とやり続けることが正しい事じゃないんだね

はる かおる

そうだね。人の状態は加齢や生活環境なんかで色々変わってくるよ。その都度必要な栄養やアプローチも変わってくるから、目的や価値観に合わせて自分に分子栄養学を合わせて実践していくことが大事なんだ

まとめ|健康情報に振り回されず、自分で考えて選べるようになることが大切

以上が、「健康情報を理解する」とは?数ある分子栄養学の情報から、自分に必要なものを見極める方法についての解説でした。

現在は、SNSや書籍、専門家による解説、AIなどを通じて、健康や栄養について多くの情報を得られるようになっています。しかし、情報が増えたからといって、自分に必要な方法が簡単に分かるようになるとは限りません。

ある情報では特定の栄養素の重要性が紹介され、別の情報では過剰摂取への注意が呼びかけられていることもあります。

専門家によって意見が異なったり、研究によって違う結果が示されたりする場合もあります。そのようなとき、大切なのは、誰かが示した答えをそのまま自分の正解にすることではありません。

その情報は何を根拠にしているのか、どのような条件で成り立っているのか、そして今の自分にはどのような意味があるのかを考えることです。

そして、自分に必要な方法は、一度決めれば終わりというものでもありません。身体の状態や生活環境、健康づくりの目的は、時間とともに変化します。

以前は必要だった方法が、今は必要ないこともあれば、これまで必要なかった方法が、将来は必要になることもあります。

だからこそ、健康情報を理解する力とは、決まった正解を覚えることではなく、その時々の自分に必要な情報を理解し、考え、必要に応じて選び直せる力なのだと思います。

健康情報に自分を合わせるのではなく、健康情報を自分に合わせて活用する。

そのために、科学的な知識を学び、自分の身体や生活を理解し、必要な方法を考えて選んでいく。そして、身体や生活の変化に合わせて、学び直し、考え直していく。

それが、オーソナライズで大切にしている「健康情報を理解する」という考え方です。

  1. OSD ↩︎

分子栄養学を「自分に合わせる」ために、まず自分を知る。
オーソモレキュラー療法の血液検査・栄養相談のご案内

KYBメディカルレポートのイメージ
KYBメディカルレポートのイメージ

分子栄養学では、「一般的には何が良いのか」を知るだけでなく、「自分の身体では今、何が起きているのか」を知ることも大切です。

同じような食生活や症状であっても、栄養状態、血糖代謝、炎症、消化・吸収、身体活動、生活習慣などの背景は人によって異なります。

そのため、「鉄が気になるから鉄を摂る」「疲れているからビタミンBを増やす」というように、症状と栄養素を単純に結びつけるだけでは、その人に合った実践にならないことがあります。

検査は「答え」ではなく、自分を知るための材料です

KYBメディカルサービスのK01初診スクリーニングでは、血液・尿・唾液を用いた69項目の検査から、タンパク質、糖代謝、脂質、血球、炎症、各種酵素、ミネラル、腎・尿関連項目など、身体を考えるためのさまざまな情報を確認します。

必要に応じて、甲状腺、糖代謝、骨代謝、胃腸機能、脂肪酸、酸化脂質などに関連するオプション検査を組み合わせることもできます。

ただし、検査値だけで身体のすべてが分かるわけではありません。食事、運動、睡眠、ストレス、服薬、生活環境なども含めて考えることで、検査結果をより実践に活かしやすくなります。

人を分子栄養学に合わせるのではなく、分子栄養学をその人に合わせる

検査結果が分かったからといって、全員が同じ食事・運動・サプリメントを実践するわけではありません。

大切なのは、検査で得られた情報を、その人の身体・生活・目的・価値観に合わせて活用することです。

例えば、運動不足が身体の状態に関係しているのであれば、栄養素を補うことだけでなく、無理なく運動を取り入れる方法を考える必要があります。そして、運動を行うためのエネルギーや、筋肉・身体づくりを支える栄養を整えていく。

このように、何のために健康になりたいのかを考え、その目的を実現するために分子栄養学を活用することを、私たちは大切にしています。

KYBメディカルサービスでは、検査結果をもとに専門チームが解析を行い、栄養状態や身体の状態を考えるためのレポートを作成します。レポートには、検査結果の見方や、食事・栄養補給等を実践する際の参考情報がまとめられています。

「自分の場合はどう考えればいいのだろう?」と思ったときは、検査で自分の状態を確認することも一つの方法です。

分子栄養療法ナビでは、KYBメディカルサービスの血液検査や栄養相談についてご案内しています。検査内容や費用、実際に受けるまでの流れをご確認いただいたうえで、ご検討ください。

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KYBメディカルサービスの血液検査やケンビックス製品等を活用しながら、「人を分子栄養学に合わせるのではなく、分子栄養学をその人に合わせる」というオーソナライズの考え方に基づいて、日々の実践をサポートします。

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